iFixit、Appleの「ファインウーブンケース」の耐久性および分解レポートを公開
iFixitが、「iPhone 15」シリーズと共に発売されたファインウーブンケースの分解レポートを公開しています。
ファインウーブンケースは、耐久性に優れたマイクロツイル製で柔らかくスエードのような感触が特徴のケースで、環境にも配慮して作られ、再生素材を68%使用しており、レザーケースに代わるケースとして投入されました。
ただ、ファインウーブンケースを実際に購入した一部のユーザーからは品質が低いことが報告されており、iFixitはそれらの不評を受けてファインウーブンケースを詳しく見てみることにしたそうです。
生地のテスト
デジタル顕微鏡を用いて、52倍と490倍の倍率でファインウーブンケースの表面を観察したところ、1本1本の繊維は髪の毛よりもはるかに細く、太さは約6µmで、その繊維が束ねられて約150µmの糸を構成していることが分かりました。
また、Appleが使用しているマイクロツイル素材はパタゴニアやARC’TERYXのようなメーカーの高級ジャケットと似たような構造だったそうです。
表面を引っ掻いて傷がついた場合でも繊維が切れたり、染料が傷んだりすることはなかったものの、傷によって影響を受けた繊維が光を不規則に反射するため、視覚的な跡が残る他、素材や柔らかい為、ケースと一緒にポケットに入れたものが凹みを残す場合もあるとのこと。
飲み物やソースなどへの耐久性
ファンウーブンケースの表面にコーヒーやソース、油などを付着させて跡が残るのかをテストしたところ、コーヒーは跡形もなく蒸発したとのこと。
ただ、ソースや油はシミになり、特定の食品や液体にさらされるとケースに汚れが付くことが予想されます。
内部構造
ケースを切断して内部を調査した結果、外側から内側に向かって、ファインウーブン素材→グレーの発泡スチロール→硬質プラスチックシート→MagSafeハードウェア/白い発泡スチロール→硬質プラスチックシート→ファインウーブン素材といった層になっていることが分かりました。
表面のファインウーブン素材の層は非常に薄く、約0.17㎜となっており、側面部分もファインウーブン素材が採用されているものの、こちらは一種の樹脂でコーティングされていることから、表面は硬く、無孔質になっている模様。
まとめ
ファインウーブンは繊維が6µmと細く、高級素材であり、生地はある程度摩耗に強いものの、傷が目立ち、跡が残ります。また、液体には強いとは言えず、iFixitは耐久性撥水スプレーでなどのファブリックプロテクターで保護することを薦めています。
コメント
コメント一覧 (4件)
ファインウーブンケースは無い
3,000円なら納得できるが
ファインウーブンケースケースの発売を待ちましょう
耐久性撥水スプレーのおすすめを教えてください
こういうケースがあってもいいとは思いますが、レザーケースと同じ値段というのは妥当なんでしょうか? 今回はApple Watchのエルメスモデルも革をやめたようですが、革ならともかく、水や油に弱く、汚れが風合いになることもなく、摩耗もしやすいファブリックのバンド付きで20万円という価格に納得がいく人がどのくらいいるのか興味深いです