【レビュー】「Shokz OpenFit Pro」をチェック ー オープンイヤー型の弱点であるノイズの低減に対応

本日、骨伝導イヤホンやオープンイヤー型イヤホンのパイオニアであるShokzが、耳掛け式の新型オープンイヤー型ワイヤレスイヤホン「OpenFit Pro」を発表しました。
「OpenFit Pro」は、耳掛け式のオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン「OpenFit」シリーズの最新モデル。オープンイヤー型は耳を塞がないので、周囲の環境音が聞き取りやすく、長時間の使用でも蒸れにくく、快適に使えるところが特徴でもありますが、カナル型やインナーイヤー型のようなノイズキャンセリング機能はなく、ノイズや周囲の騒音に弱い面があるのも事実。
「OpenFit Pro」はそういったオープンイヤー型の弱点でもあるノイズに対応する為、オープンイヤーデザインに先進的なノイズ抑制・低減技術を融合したフォーカスモード(ノイズ低減機能)を初めて搭載した次世代のオープンイヤー型イヤホンとなっています。
今回、その「OpenFit Pro」を試用する機会を頂いたので紹介します。
主な仕様
「OpenFit Pro」は、歪みを低減し、より自然な音を実現する滑らかな周波数特性カーブと拡張された周波数帯域を実現する革新的な同期型デュアルダイアフラムドライバー「Shokz SuperBoost™」を搭載しています。16.7mm径の円形スピーカーに匹敵する性能を発揮する11×20mmの超大型ドライバーとなっており、豊かなディテール、滑らかな高音、そして深みのある低音を高精度で再現します。

Dolby Atmosにも最適化されており、ヘッドトラッキングにも対応。驚くほどクリアで緻密なサウンドを実現し、Dolby Atmosコンテンツにも対応しているので、より没入感のあるリスニング体験が可能です。
また、後ほど詳しく触れているのでここでは割愛しますが、周囲が騒がしい環境でも音楽をクリアに楽しめ、同時に周囲の気配も感じながらリスニングできる新しい体験を実現してくれる「フォーカスモード」を搭載しているのが最大の特徴。
さらに、広帯域での音漏れを効果的に抑えてくれる最新の音漏れ低減技術「DirectPitch™ 3.0」に加え、音声通話時向けの機能として、通話を常にクリアに保ち、最大99.4%の背景ノイズを低減くれるAI音声認識対応のトリプルマイクアレイや、風速最大25km/hの環境下でも通話が快適に行える独自の風切り音低減技術なども搭載されています。
なお、バッテリー駆動時間は、イヤホン単体の場合、フォーカスモードをオフで最大12時間、オンで最大6時間となっており、充電ケースの併用で最大50時間/24時間の音楽再生が可能。10分の充電で4時間の音楽再生が可能な急速充電にも対応しています。
OpenFitシリーズのスペック比較
| OpenFit Pro | OpenFit 2+ | OpenFit 2 | |
|---|---|---|---|
| ドライバーユニット | 11×20mmの超大型同期型デュアルダイアフラムドライバー Shokz SuperBoost™ | 2つのドライバー DualBoost™テクノロジー 17.3mm相当の低周波ユニット 独立した高周波ユニット | 2つのドライバー DualBoost™テクノロジー 17.3mm相当の低周波ユニット 独立した高周波ユニット |
| 低音アルゴリズム | OpenBass™ 2.0 | OpenBass™ 2.0 | OpenBass™ 2.0 |
| 音響技術 | Dolby Atmos | Dolby Audio | × |
| 対応コーデック | AAC, SBC | AAC, SBC | AAC, SBC |
| Bluetooth | ver 6.1 | ver 5.4 | ver 5.4 |
| 対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP | A2DP, AVRCP, HFP | A2DP, AVRCP, HFP |
| バッテリー駆動時間 | イヤホン本体:最大12時間 充電ケース使用で合計:最大50時間 | イヤホン本体:最大11時間 充電ケース使用で合計:最大48時間 | イヤホン本体:最大11時間 充電ケース使用で合計:最大48時間 |
| 急速充電 | 10分の充電で4時間のリスニングが可能 | 10分の充電で2時間のリスニングが可能 | 10分の充電で2時間のリスニングが可能 |
| ワイヤレス充電 | ○ (充電ケース) | ○ (充電ケース) | × |
| 自動装着検出機能 | ○ | × | × |
| 防塵防水性能 | IP55 (イヤホン本体) | IP55 (イヤホン本体) | IP55 (イヤホン本体) |
| 重さ | イヤホン:12.3g±0.2g 充電ケース:74.7g±2.0g | イヤホン:9.4g±0.2g 充電ケース:56g±2.0g | イヤホン:9.4g±0.2g 充電ケース:53g±2.0g |
同梱品や外観デザイン
製品以外の同梱物はUSB-Cケーブルとユーザーガイドに加え、フィット感を向上させるアダプティブサポートアクセサリーが付属しています。アダプティブサポートアクセサリーはこれまでの「OpenFit」シリーズには付属していなかったのですが、よりしっかりと固定したい場合に使用するものとなっています。

充電ケースは丸みを帯びたスクエア型で、81.0㎜×67.5㎜×25.9㎜と少し大きめですが、耳掛け式は耳掛け用のフックがあることから、大体このくらいの大きさ。ただ、「OpenFit 2+」のケースよりも薄くなっており、ズボンのポケットなどには入れやすい形状となっています。

今回レビューしたのはホワイトモデルで、ケース本体のカラーはホワイトというよりオフホワイトといったカラーリングにシルバーの装飾が入っており、かなり高級感のあるデザインに。前回レビューした「OpenFit 2+」のケースも高級感があると思いましたが、「OpenFit Pro」のケースはそれ以上。


ケース内部はこんな感じで、外側とは異なる滑りにくいマットな素材が採用されており、デザインの視覚的に邪魔な各種認証の刻印は蓋の裏側にまとめて刻印するなど、細かな配慮が見て取れます。


また、デザイン面での細かな配慮としては、充電ケースへの収納時に左右が分かり易いよう、イヤホン側のL・R表記のカラーに合わせたインジケーターが充電ケース側にも刻印されています。この辺の配慮も流石といった感じ。

充電ケースはQiワイヤレス充電にも対応しており、対応のワイヤレス充電器に充電ケースを置くだけで充電可能。ワイヤレスイヤホンの充電はついつい忘れがちになるものですが、家に帰って使わない時はワイヤレス充電器に置くだけで充電出来るのは便利。

「OpenFit Pro」の本体デザインは他の耳掛け式イヤホンと似たような形状ですが、「OpenFit 2+」に比べると本体部分が薄くなっています。「OpenFit Pro」はプレミアムアルミニウム合金を9段階の精密モールドプロセスで加工することで、継ぎ目のない強固で軽量なユニボディデザインを採用しており、これにより薄型化を実現しています。
また、マットな質感のシリコン部分とメタリックなシルバー部分が相まって、高級感のあるデザインおよび質感となっています。


外観上の最大の特徴はノイズ低減機能であるフォーカスモード用に搭載されている3つのマイクのうちの1つであるフィードバックマイク。フィードバックマイクは耳道付近での音を正確に捉え、より精度の高いノイズリダクションを実現する為のもので、イヤホン内側のちょうど耳の穴の辺りに位置する箇所に搭載されています。突起のような形で飛び出しているので外観上はかなり独特な形状となっていますが、装着時に邪魔になったり、違和感はありません。
さらに、「OpenFit Pro」は念願の自動装着検出機能にも対応しており、イヤーフック部分(黒い楕円部分)にセンサーが搭載されています。本製品の自動装着検出機能は光学センサーと静電容量センサーを組み合わせたハイブリッド検知システムが採用されており、様々な耳の形に適応しながら高精度な装着判定を行い、装着すると音楽を自動再生、外すと瞬時に一時停止してくれます。

物理ボタン搭載
「OpenFit 2+」はタッチ操作と物理ボタンの両方で操作が可能でしたが、「OpenFit Pro」は物理ボタンのみの操作に。ワイヤレスイヤホンを使ったことがある方は分かると思いますが、タッチ式は装着時などに意図しない動作をしてしまうことがあり、物理式はそういった誤操作が起きにくいのが特徴。
物理ボタンは装着したままでも操作し易いイヤーフックの付け根に搭載されていて、防水仕様となっている他、指先で分かりやすい形状で、押した感触もしっかりしているので、操作してる感がより分かり易くなっています。

なお、ボタンの操作割り当ては公式アプリでカスタマイズ可能で、左右別々に様々な割り当てができるオプションが用意されています。

快適で安定した装着感
「OpenFit Pro」は超薄型のニッケルチタン合金製イヤーフックとマシュマロのように柔らかい素材「Shokz Ultra-Soft Silicone™ 2.0」により、さまざまな耳の形に柔軟にフィットし、長時間の装着でも快適に使用出来るのが特徴。
実際に装着してみましたが、装着中のホールド感も意外なほど安定しており、ウォーキングや軽いランニング程度ならズレを気にすることはありませんでした。重さは「OpenFit 2+」が片側9.4gだったのに対し、「OpenFit Pro」は片耳12.3gと耳掛け式の中でもかなり重たい部類に入ります。ただ、耳に引っ掛ける為か実際に装着すると重さはほとんど意識せず、耳に触れる部分が非常に柔らかい素材の為、1日中着けっぱなしでも耳が痛くなったりすることもなく、外出時だけでなく家の中でのながら聴き用としてもオススメ。


また、本製品からは最初にペアリングした際に正しい着用方法を教えてくれるチュートリアルも表示されるようになっているので、初めての人でも正しく装着出来るよう工夫が加えられています。
装着感を改善するサポートアクセサリーも
「OpenFit Pro」にはこれまでの「OpenFit」シリーズには付属していなかった”アダプティブサポートアクセサリー”という装着感を改善する為のスペーサー的なものが同梱されています。

この”アダプティブサポートアクセサリー”はイヤーフックに滑らせて装着する仕組みで、「OpenFit Pro」をより耳に密着させ、装着感を向上させるものとなっており、実際に使ってみました。
筆者は普段はメガネをかけており、「OpenFit」シリーズのような耳掛け式の場合、イヤーフックとメガネのテンプル(つる)の部分が干渉し、位置決めが難しい面があったのですが、このサポートアクセサリーを装着した方がイヤーフックが耳に密着し、テンプル部分がイヤーフックの横や下に潜り込まず、上に乗るような感じになるので、メガネをかけていても違和感なく装着出来ます。ただ、若干圧迫感も出てくるので、耳掛け式の乗せてるだけの圧迫感のない装着感は少し落ちてしまうのは致し方ないところでしょうか。

実際に使ってみた
上述した通り、「OpenFit Pro」は16.7mm径の円形スピーカーに匹敵する性能の11×20mmの超大型ドライバーを搭載しており、実際に音楽を聴いてみると、標準ではボーカルなどの中音域が少し強めといった感じの音質で、OpenBass™ 2.0の効果もあり、オープンイヤー型イヤホンながら低音がしっかりと響く印象。
空間オーディオ技術の「Dolby Atmos」にも対応しており、公式アプリでオン/オフ可能。オンにすると臨場感のある音の演出、広がりのある豊かな表現力が印象的で、より厚みのある音質になります。また、ヘッドトラッキング機能にも対応しており、実際に試したところしっかり効いていることが実感でき、映画やライブ音源などでより臨場感を感じることが可能。

5つのプリセットイコライザーモードに加え、ユーザー好みにカスタム出来るカスタムイコライザーを搭載しているので、自身の好みに合わせて、サウンドを自在にコントロールすることも可能。

音漏れに関しては、「OpenFit 2+」よりもさらに世代が新しい音漏れ抑制技術「DirectPitch™3.0」を搭載している他、イコライザーに有効化するとより音漏れしにくいようにさらに最適化される「プライベート」モードが用意されています。実際に試してみましたが、耳掛け式にしては音漏れは抑えられている印象。ただ、オープン型なので完全ではなく、流石に音量を大きくすると音漏れしてしまうので使う場所によっては注意が必要。
フォーカスモード
「OpenFit Pro」の最大の特徴はなんといってもフォーカスモードで、実際に様々なシチュエーションで利用してみました。
まず、フォーカスモードの仕組みを説明すると、耳の内側のノイズをリアルタイムで正確に予測する「フィードバックマイク」、外部環境のノイズをモニタリングするメインマイクの「フィードフォワードマイク1」、ノイズ抑制性能をさらに高める補助マイクの「フィードフォワードマイク2」といった3つのマイクを搭載したシステムと、耳形に合わせて最適化される独自アルゴリズムにより、耳内のノイズレベルを高精度で予測し、その上で高性能ドライバーが逆位相の音波を生成し、ノイズを打ち消してくれます。

オープンイヤー型イヤホンでのノイズ低減には2つの大きな課題があったそうで、マイクの配置の最適化に加え、耳形適応アルゴリズムと高性能スピーカーを開発し、さらに、あらゆる耳で安定したノイズ低減効果を得るために複数回のテストを重ねた結果実現した機能とのこと。
フォーカスモードの実際の使用感
オープンイヤー型は装着時でも周囲の音が聞こえるのが特徴ですが、フォーカスモードを有効化した瞬間、ノイズがサーッと無くなるのが分かります。これはインナーイヤー型のノイキャンと似たような感じの体験で、オン/オフで確かに差があることが分かるほどのノイズ低減を実感出来ます。
ただ、あくまでノイズキャンセリングではなくノイズ低減・抑制機能といった位置付けで、効果的だったのはエアコンや掃除機の音、乗り物の風切り音などのサーッといった音やゴーッといった音で、人の声やテレビの音声、電車のレールの継ぎ目の音(ジョイント音)、車のエンジン音といった明確な音にはあまり効かない感じ。
人の声などを消してしまうと、ながら聴きができるオープンイヤー型の良いところが無くなってしまうので、聞こえなくて良い無駄なノイズのみ低減してくれている感じで、カナル型の何もかもを抑制するノイキャンよりも圧迫感がなく、オープンイヤー型の良いところを残しつつノイズを抑制しており、上手く調整されているなというのが正直な感想です。
その他の機能
「OpenFit Pro」には他にも様々な機能が搭載されており、2台のデバイスに同時接続可能な「マルチポイント接続」や、イヤホンから音を鳴らして紛失した際に探せる「イヤホンを探す」機能に加え、音声接続時のモードを「標準モード」「低遅延優先モード」「安定性優先モード」の3つから選択出来るようになっています。
「イヤホンを探す」機能は音が徐々に大きくなる仕組みで、これまで様々なイヤホンで同様の機能を試してきましたが、音は大きい部類に入ります。あくまで家の中やカバンの中で見失った際に使用するための補助的な機能ですが、いざという時には使える機能となっています。

音声接続時のモードに関しては、「低遅延優先モード」はビデオ通話やカラオケに適しているものの、Bluetoothの接続安定性が僅かに低下し、「安定性優先モード」は部屋の移動や電波状況が複雑な場所に適しています。筆者が外で試した感じでは違いはそこまで分からなかったものの、Bluetooth接続の安定性などが気になる際は変更してみると良いと思います。
また、「OpenFit Pro」はIP55等級の防塵・防水性能を備えているので、激しいトレーニングや突然の雨でも気にせず使用可能です。
まとめ
ここまで「OpenFit Pro」を紹介してきましたが、オープンイヤー型イヤホンの弱点を一つずつ解消しながら、装着感や音質などを高水準でまとめており、フォーカスモードでも人の声はちゃんと聞こえるので、日常使用はもちろん、ビジネスシーンにも対応出来る製品となっています。
また、従来モデルと同じく激しい運動をしてもズレない装着感もきちんと維持されているので、さまざまなトレーニングシーンでも安定して利用出来ます。
なお、価格は39,880円(税込)と、正直少し高めですが、オープンイヤー型イヤホンの中ではこれを買えば間違いないという製品なので、もしオープンイヤー型イヤホンを検討するのであれば候補の1つに入れても良い製品となっています。
4月7日0時より予約受付が開始され、4月22日より順次発売されます。公式ストアでは早期予約者向けの特典として、先着300セット限定で追加料金なしでワイヤレス充電器やキャリングケースが付属したギフトボックスにアップグレードされるキャンペーンが実施されます。


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