【レビュー】EarFun初のオープン型耳掛け式ワイヤレスイヤホン「EarFun OpenJump」

EarFunは4月下旬に同社初のオープン型完全ワイヤレスイヤホン「EarFun OpenJump」を発売しました。
まず、EarFunのことを知らない人も多いと思うので少し紹介しますが、同社は2018年に経験豊富な工業デザイナー・音響エンジニア・音楽愛好者で構成されたチームにより、次世代のワイヤレスオーディオ機器を製造することを目標として設立された米国の企業で、今では日欧米を中心とした世界100以上の国・地域で展開し、累計1,000万台以上の販売実績をあげている他、各メディアでも様々な製品で高評価を受け、各種賞も受賞しています。
今回発売された「EarFun OpenJump」は、同ブランド初の耳掛けデザインを採用したオープン型完全ワイヤレスイヤホン。片耳あたり約7.8gの軽量設計と、耳の形に柔軟にフィットする形状記憶合金内蔵ボディにより、快適な着け心地を体験できる他、完全ワイヤレスタイプとしては大口径のφ14.2mmウール複合膜振動板ダイナミックドライバーを採用し、独自の低温増強技術「BassSurge」を駆使することで、オープン構造でありながら力強い低音を実現しているのが特徴。
その「EarFun OpenJump」を提供頂いたので、紹介します。
特徴や仕様

「EarFun OpenJump」は、耳掛け型のオープンイヤーデザインで、耳に引っ掛ける部分には形状記憶合金を採用しており、耳に優しくフィットする角度を自由に調節可能。オープン型で耳の穴を完全に塞がない仕組みなので、圧迫感がなく、耳への負担を軽減し、長時間の使用でも快適な装着感をキープしてくれます。
音質面では、上述した通り、ドライバーユニットとして14.2㎜のダイナミックドライバーを搭載し、振動板には高品質なウール複合素材を採用しており、ウールならではの柔軟性がクリアで心地よい音色を生み出す仕組み。さらに、独自開発の低音増強技術「BassSurge」により、深みのある迫力の重低音を実現している他、最大96kHz/24bitの再生を可能にする高音質オーディオコーデック「LDAC」に対応し、一般社団法人日本オーディオ協会が定める「ハイレゾオーディオワイヤレス」規格の認証を取得しています。
また、映画やゲームなどのコンテンツを立体的で没入感のあるサウンドで楽しめる「シアターモード」や低遅延モードである「ゲームモード」を搭載している他、音声通話時用として左右計4基の高性能マイクを搭載し、AIアルゴリズムの活用により人間の声を捕捉してクリアで高品質な通話を実現しています。
さらに、2台のデバイスに同時接続し、必要に応じて切り替える「マルチポイント接続(デュアルデバイス接続)」にも対応している他、Google Fast Pairにも対応しているので、Androidデバイスと簡単&スピーディーにペアリングできます。
イヤホン本体はIPX7防水規格に対応しているので、雨の日や汗をかく運動時でも安心して使用可能。
バッテリー駆動時間はイヤホン単体では最大11時間(LDACオフ時)、充電ケースを利用することで最大42時間(LDACオフ時)となっており、10分の充電で2時間使用可能な急速充電にも対応しています。
主な仕様
ドライバー | 14.2㎜ 高品質ウール複合ダイナミックドライバー |
対応コーデック | LDAC, SBC, ACC |
Bluetooth | Bluetooth5.3 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
防水規格 | IPX7(イヤホンのみ) |
バッテリー | LDACオフ:最大11時間/ケース込み42時間 LDACオン:最大8時間/ケース込み30.5時間 |
重さ | 73.5g (充電ケース込み) 7.8g (片耳イヤホン) |
同梱品や外観デザイン
同梱品は本体以外には各種冊子とUSBケーブルのみといったシンプルな構成で、オープン型のイヤホンはイヤーチップが必要ないことから大体こんな感じです。

充電ケースのサイズは76.1×66.9×27.3mmで、正方形に近く、耳掛け型なので仕方ないですが、ちょっと大きめです。また、イヤホン本体込みの充電ケースの重さは73.5g。


前面に充電状況やペアリング時の状況を示すLEDインジケーターが搭載されており、ペアリングボタンはケース内部に位置しています。

耳掛け型としてはオーソドックスなデザインで、イヤホン単体の重さは7.8gで、インイヤー型やイヤーカフ型に比べると重いものの、装着してみると特に気にならない重さです。
スピーカー部分のメーカーロゴ部分をタップすることで、様々な操作が可能。タップ操作の操作性に関しては特に反応が悪いなどはありません。ただ、タップ式のイヤホンはどれも一緒ですが、誤って指が当たった際に意図しない操作をしてしまうことがあるので、後述する公式アプリで無効化することも可能です。

また、耳に接する部分や触れることの多いフック部分には肌触りの良いシリコンコーティングが施されており、これにより摩擦力を高め、装着感を上がる仕組み。
装着感は??

実際に装着してみましたが、最初に結論を言うと耳の形状次第かなといった感じです。最近流行のイヤーカフ型とまではいかないものの、装着感は快適で、長時間着けていても痛くなることもなく、着けていることが気にならないレベルです。
首を振ってみたり、走ったりしても落ちることはないので、ランニングなどにも最適な形状となっています。
ただ、耳の形状によってはホールド感が悪い場合もあり、その場合は首を振ったりするとイヤホン自体が動いたり、少し手が触れただけで落ちてしまったりする場合もあり、可能であれば購入前に販売している実店舗などで装着感を確認してから購入されることをオススメします。


また、筆者は常時メガネを掛けているのですが、メガネとの相性はあまり良くない印象。フック部分は大分細くなっているので、メガネによっては干渉は少ないですが、メガネのテンプル部分がどうしても当たってしまう為、イヤホンがズレてしまったり、干渉して浮いた感じになってしまう場合もあり、メガネとの共用に関してはオープン型ではイヤーカフ型に軍配があがる結果に。
公式アプリ
無料の公式アプリ「EarFun Audio」がiOS/Androidともに用意されており、同アプリを利用して様々な情報を確認したり、設定の変更などが可能です。
トップページでは、バッテリー残量の確認やゲームモード・シアターモード等のオン/オフに加え、イコライザー、キー(タッチ操作)のカスタマイズ、デュアルデバイス接続(マルチポイント接続)、音声ガイダンス、自動電源オフ、イヤホンを探すといった機能の設定変更が可能。

イコライザー機能は、予め29種類ものプリセットイコライザーが用意されており、プリセットから選んで変更することが可能な他、ユーザー自身が自由に設定出来るカスタムイコライザーや、実際にイヤホンを装着して聞こえる音域に合わせてイコライザを設定してくれる「適応イコライザ」も利用可能です。

他にも、タッチコントロールのカスタマイズはかなり細かく変更出来る他、音声ガイダンスの音量や言語の変更も可能。あまり他のイヤホンでは用意されていない自動電源オフまでの時間を設定することも可能です。
イヤホンを探す機能は、GPSなどの位置情報を利用したものではなく、家の中や鞄の中で見当たらない時に音を鳴らして探すことが出来る機能で、他の同価格帯のイヤホンと同じく音が小さく、耳を澄まさないと使いものにならないものだと思いきや、本製品の同機能は音の大きさが数段階にかけて大きくなる仕組みで、最終的にはかなり大きな音が鳴るので、余程のことがない限りすぐに見つかるくらいの音量となっています。

iPhoneはLDACに対応していないのですが、LDACに対応したAndroid搭載スマホであればアプリからLDACを有効化することが可能。なお、Bluetooth接続の安定性を確保する為、LDACとデュアルデバイス接続は同時に利用出来ないので注意が必要です。

まとめ

まず、音質に関しては、同価格帯のオープン型と比較して”良い”と思ったのが最初に使用した時の率直な感想。経験豊富な工業デザイナー・音響エンジニア・音楽愛好者で構成されたチームがかなり”音”にこだわって開発したものと思われ、低音もそれなりに効いていて、中音も割と厚みがあり、安価なイヤホンに多い籠もったような感じもなく、音に関しては好印象でした。また、イコライザー機能もあるので、ある程度自分好みに出来るのも良いかと思います。
音漏れに関してもオープン型なのであまり期待していなかったのですが、同価格帯のオープン型に比べると音漏れも抑えられている印象。周りの音が聞こえる位の音量での再生であればかなり耳元まで近づいて聞かない限り、何か再生しているのか分からないくらいです。
ただ、今回、耳掛け型を初めて使用してみて思ったのは、個人的には同じオープン型のイヤーカフ型よりも耳の形状によりフィット感に個人差があり、合う人にとっては軽さや開放感を感じることが出来る魅力的な製品ですが、必ずしも万人向けではない為、試着ができる環境があれば一度試してから購入するのが理想的です。
また、オープン型なのである程度の騒音がある場所では聞こえ難くなる場面もあったので、本当は使う場面に合わせてノイズキャンセリング機能を搭載したイヤホンと使い分けるのがオススメです。
なお、価格は8,990円(税込)ですが、セールなどで7,000円台で購入でき、音質が良くコスパに優れた耳掛け型を検討している方にはオススメ出来る1台だと思います。
コメント