Apple製5Gモデムチップの計画の詳細が明らかに ー まずは来春発売の新型「iPhone SE」から搭載へ
Bloombergの著名記者であるMark Gurman氏が、問題に詳しい関係者の話として、Appleが自社開発した5Gモデムシステムは来年春にデビューする予定だと報告しています。
この自社製5Gモデムチップは、来年にモデルチェンジが行われる「iPhone SE」の新モデルに搭載される予定で、最終的に2027年までにQualcommの技術を追い越すことを目指しているそうです。
新型「iPhone SE」に関してはこれまでに何度も報じられている通り、Apple Intelligence対応やフルディスプレイ化などが特徴となる見込みで、Appleの自社製モデムチップは「Sinope」というコードネームで呼ばれており、今のところこのチップはハイエンド製品には搭載されず、来年後半には「D23」というコードネームで呼ばれているより薄型の新型iPhoneこと「iPhone 17 Air (仮称)」にも搭載される予定。
また、早ければ2025年からエントリーモデルの「iPad」にも搭載される予定とのこと。
Appleは「iPhone SE」での採用に向け、世界中の従業員に配備された数百台のデバイスで新しいモデムチップをテストしてきた他、世界中のキャリアパートナーとも品質保証テストを行ってきた模様。同社が低価格帯の製品から搭載することにした理由の1つは、モデムが正しく動作しなければ通話が途切れたり、通知が届かなかったりするリスクがあるからだそうで、同社初のモデムは「iPhone 16 Pro」に搭載されているものよりもダウングレードされたものになるようです。
Apple初のモデムチップはmmWaveをサポートしないことに加え、4波キャリアアグリゲーションにのみ対応し、Qualcommのモデムチップのような6波キャリアアグリゲーションにが対応していないそうです。また、ダウンロード速度の上限もQualcommのmmWaveに非対応のモデムチップと比べると低くなるようですが、あくまで上限値なので日常的な使用では違いに気付かないものとみられています。
なお、Appleは2026年に投入する第2世代モデムチップ「Ganymede(コードネーム)」でQualcommの性能に近づき、よりハイエンドの製品にも搭載されるようになり、「iPhone 18」シリーズに搭載され、2027年にはハイエンドの「iPad」にも搭載される見込み。「Ganymede」はmmWave対応やダウンロード速度の向上、Sub-6使用時の66波キャリアアグリゲーション、mmWave使用時の86波キャリアアグリゲーションへの対応が特徴となります。
さらに、Appleは「Prometheus」というコードネームで呼ばれている第3世代モデムチップを2027年に投入することを目指しており、同社はその時点までにモデムチップの性能とAI機能でQualcommを上回りたい意向。また、次世代衛星ネットワークへの対応も視野にいれている他、メインプロセッサとモデムチップの完全統合も検討されているそうです。
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