【レビュー】「GEEKOM GT1 MEGA」 ー アルミ製のコンパクトな筐体にCore Ultra 9 185H/32GB/2TBを詰め込んだハイスペックなミニPC

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スペック

【レビュー】「GEEKOM GT1 MEGA」 ー アルミ製のコンパクトな筐体にCore Ultra 9 185H/32GB/2TBを詰め込んだハイスペックなミニPC

まずは「GEEKOM GT1 MEGA」のCore Ultra 9 185H搭載モデルの主なスペックをまとめると下記の通り。

GT1 MEGA(Core Ultra 9 185H)の主なスペック

本体サイズ135×132×46.9㎜
CPUIntel Core Ultra 9 185H
GPUIntel Arc Graphics
RAMDDR5-5600MHz デュアルチャンネル
(SODIMM スロット×2、合計最大64GBまで拡張可能)
ストレージM.2 2280 PCIe 4.0 SSD ×1(装着済み/最大2TB)
M.2 2242 SATAIII SSD ×1(空/最大1TB)
ポート
(後部)
1×USB-A (USB3.2 Gen2)
1×USB-A (USB2.0)
2×USB4.0
2×HDMI 2.0
2×RJ45 2.5Gbpsイーサネットポート
ポート
(側面)
SDカードスロット
ポート
(前面)
1×3.5㎜イヤホンジャック
4×USB-A (USB3.2 Gen2)
Wi-FiWi-Fi 7
BluetoothBluetooth 5.4
OSWindows 11 Pro

「GEEKOM GT1 MEGA」に搭載されている「Core Ultra 9 185H」は第14世代Core Ultraシリーズ(Meteor Lake)の中でもベース電力が45Wで高性能ノートPC向けの「H」シリーズの最上位モデルで、これまでの「Core i」シリーズに比べ、高性能コア(Performance-Cores、Pコア)、高効率コア(Efficient-Cores、Eコア)に加えて、低消費電力高効率コア(Low-Power Efficient-Cores、LPEコア)が新たに搭載されており、低負荷時により消費電力が低いLPEコアだけを動作させることで、「Core i」シリーズよりも電力効率が向上しています。

また、AI処理専用の「Neural network Processing Unit(NPU)」というハードウェア「Intel AI Boost」が搭載されており、IntelのプロセッサとしてNPUを搭載したのは「Core Ultra」シリーズが初めて。「Intel AI Boost」は最大1.4GHzで動作し、最大34TOPSの処理性能を誇ります。ただ、Microsoftが提唱するCopilot+ PCの要件は40TOPS以上となっている為、Copilot+ PCには未対応となります。

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▲タスクマネージャーにもNPUの項目が表示される

さらに、内蔵GPUは「Intel Iris Xe graphics」から「Intel Arc graphics」に変更され、グラフィック性能も大幅に向上しています。

搭載CPU「Core Ultra 9 185H」の主なスペック

CPUコア総数16コア
Pコア数6コア
Eコア数8コア
LPEコア数2コア
スレッド数22スレッド
Pコア最大周波数5.1GHz
Eコア最大周波数3.8GHz
LPEコア最大周波数2.5GHz
L3キャッシュ24MB
GPUIntel Arc graphics
GPU最大動的周波数2.35GHz
GPU Xコア数8
Intel AI Boost
Intel AI Boost最大周波数1.4GHz
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▲「GEEKOM GT1 MEGA」のシステム情報をHWiNFO64で表示

次に、搭載されているSSDの情報を「CrystalDiskInfo」で表示したものが下記画像。「Crucial P3 Plus 2TB PCIe M.2 2280 SSD」の設計上の最大速度はシーケンシャル読込が最大5,000MB/s、シーケンシャル書込が最大4,200MB/sとなっています。実際の速度は後述するベンチマーク結果をご覧下さい。

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また、OSには「Windows 11 Home」が搭載されており、「Windows 11 Home」のライセンス形態は「OEM」となっていることを確認済みです。

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他にも、Wi-FiはWi-Fi 7に対応しており、4K QAMと320MHzチャネルにより、Wi-Fi 6の4.8倍の速度を実現している他、MLOやMRUパンクチャリングにより、混雑したエリアでもより高い信頼性を確保し、Wi-Fi 6より85%低い遅延で超高速な接続性を提供します。

各種ベンチマーク

実機で測定した各種ベンチマークソフトウェアの結果を紹介します。一部のテストは過去にレビューしたことがあるIntelの同世代のSoC「Intel Core Ultra 5 125H」を搭載した「MINISFORUM UH125 Pro」や、Intelの第12世代Coreプロセッサ「Core i9-12900HK」を搭載した「KODLIX GD90」や「Core i9-12900H」を搭載した「GEEKOM XT12 Pro」、AMDのSoC「AMD Ryzen R7-8845HS」を搭載したミニPC「GEEKOM A8」とスコアを比較しています。

PC Mark 10

「PC Mark 10」はPCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトで、日常的なPCでの作業やデジタルコンテンツを操作するときの性能に焦点を当てたテスト。「GEEKOM GT1 MEGA」は比較モデルの中では高性能なSoCを搭載している為、スコアは「GEEKOM A8」とほぼ同等で、記事投稿時点で販売されているミニPCの中では1,2を争うくらいかなりパワフルなモデルとなっています。

スコア7233
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CINEBENCH R23/2024

「CINEBENCH R23」はCGレンダリング速度からCPU性能を測定するベンチマークで、CGレンダリングはマルチスレッド処理向きの作業であることからコア/スレッド数が多ければ多いほど性能が高くなる他、動作周波数に比例して性能が上がる傾向もあり、CPUの最大性能を比較するのに最適なベンチマーク。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)1881
CPU (マルチコア)14717
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参考までに「CINEBENCH」の最新バージョンである「CINEBENCH 2024」のスコアは下記の通り。まだまだデータが少ないですが、基本的にスコアは「CINEBENCH R23」と同じ傾向に。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)108
CPU (マルチコア)893
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GeekBench 6

「GeekBench 6」はCPU性能をメインで測定するベンチマークソフトで、シングルコアとマルチコアのスコアの他、GPU性能を測定するベンチマークとして「OpenCL」のスコアも測定可能。

GeekBenchのベンチマークはプロセッサごとのランキングが公開されており、他のプロセッサとのスコアの差など、ランキングの詳細はこちらをご覧下さい。また、OpenCLのスコアのランキングはこちら

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)2404
CPU (マルチコア)13792
GPU (OpenCL)39578
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CrystalDiskMark 8.0.5

「CrystalDiskMark 8」はストレージのデータ転送速度を測定できる定番ベンチマークソフトで、キューやスレッドの数を指定したシーケンシャルリード&ライト、ランダムリード&ライトの計測が可能。

シーケンシャルリードが約5,000MB/s、シーケンシャルライトが約4,400MB/sと、上述した「Crucial P3 Plus 2TB PCIe M.2 2280 SSD」の設計上の最大速度通りの結果で、PCI Express 4.0 x4対応SSDとしては特に高速ではないですが、十分に快適に使える速度となっています。

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3D Mark

「3DMark」はハイエンドPCからタブレットPCまで利用できる定番3Dベンチマークソフト。DirectX 12を利用したベンチマークなどが用意されており、各テストの測定内容とスコアは下記の通り。

  • Time Spy:ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマーク
  • Night Raid:「Time Spy」よりも軽量化されたテスト、CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイス向けのDirectX 12ベンチマーク
  • Fire Strike:ゲーミングPC向けのDirectX 11ベンチマーク
  • Steel Nomad:「Time Spy」に代わるベンチマークで、非レイトレーシングゲームの性能を測定するための推奨ベンチマーク
  • Steel Nomad Light:CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイスの性能を測定するための推奨ベンチマーク
スコア
Time Spy4009
Night Raid30443
Fire Strike8049
Steel Nomad775
Steel Nomad Light3142
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FINAL FANTASY XV

2018年に発売された重量級のアクションRPG「Final Fantasy XV」のPC版が快適に動作するか否かを推し量るためのベンチマーク。基本的に4K解像度でのプレイは難しく、画質を軽量品質に落とすことで何とかプレイ出来るようになるといった感じで、あまり期待しない方が良さそう。

設定スコア評価
標準品質 / 2560×1440 ウインドウ2627やや重い
標準品質 / 1920×1080 ウインドウ3793普通
軽量品質 / 3840×2160 ウインドウ2060重い
軽量品質 / 2560×1440 ウインドウ3430普通
軽量品質 / 1920×1080 ウインドウ4873やや快適

ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー

「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を動作させた場合のパフォーマンスの指標となるスコアを測定出来るベンチマーク。上述した「Final Fantasy XV」ほどではないものの、解像度は”1920×1080″でなければプレイは厳しい状況ですが、画質を落とすことで問題なくプレイ可能なレベルとなっています。

設定スコア評価
3840×2160 高品質
(デスクトップPC)
1920設定変更が必要
3840×2160 高品質
(ノートPC)
2417設定変更が必要
3840×2160 標準品質
(デスクトップPC)
2346設定変更が必要
1920×1080 最高品質
(デスクトップPC)
4266普通
1920×1080 高品質
(デスクトップPC)
5390普通
1920×1080 高品質
(ノートPC)
7141やや快適
1920×1080 標準品質
(ノートPC)
7358やや快適

ドラゴンクエストX

上記のFFシリーズのベンチマークよりも軽い「ドラゴンクエストX」のベンチマークのスコアは、最高設定の「最高品質 / 3840×2160 / ウインドウ」でスコアが7601で、評価は“とても快適”となりました。

基本的に4K解像度の最高品質で問題なくプレイ可能です。もっと快適にプレイしたい場合は画質設定を落とすか、解像度を2Kに落とすことで可能となります。

設定スコア評価
最高品質 / 3840×2160 / ウインドウ7601とても快適
標準品質 / 3840×2160 / ウインドウ7845とても快適
低品質 /3840×2160 / ウインドウ11967すごく快適

GeekBench AI

「Core Ultra 9 185H」はNPU「Intel AI Boost」を搭載していることから、試しに「GeekBench AI」のベンチマークも測定してみました。

「GeekBench AI」はPCやスマホのAI性能を測定出来るベンチマークテストで、AIフレームワークは、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルを表現するためのフォーマット「ONNX」とIntelが提供しているディープラーニング・モデルを最適化および展開するためのオープンソースのツールキット「OpenVINO」から選択可能。

Single Precisioは単精度(FP32)の計算における性能を示しており、一般的に画像処理など精度が必要なタスクで用いられ、Half Precisionは半精度(FP16)の計算性能を示しており、性能は高精度よりは低いですが、速度は向上するためリアルタイムアプリケーションなどに使用されます。最後に、Quantizedは量子化された計算(INT8など)の性能を示していて、精度が若干落ちる代わりに計算速度が向上するため、モバイルやエッジデバイスでのAI推論でよく使用されます。

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▲GEEKOM GT1 MEGAのGeekBench AIの測定結果

参考までに「Core Ultra 9 185H」の下位モデルである「Core Ultra 5 125H」を搭載した「MINISFORUM UH125 Pro」との比較が下記の通り。「Core Ultra 9 185H」と「Core Ultra 5 125H」では内蔵されているNPUは同性能の為、CPU・GPUの性能の差が出た形に。

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まだまだ比較対象が少ない為、気になる方はGeekBenchの公式サイトで各デバイスの測定結果を比較してみて下さい。

なお、上述した通り、「GEEKOM GT1 MEGA」に搭載されている「Core Ultra 9 185H」のAI処理性能は最大34TOPSとなっており、Microsoftが提唱するCopilot+ PCの要件は40TOPS以上となっている為、Copilot+ PCには未対応となります。

Microsoftは先日に「Windows 11 バージョン24H2」を正式にリリースし、AI関連機能を強化しましたが、「バージョン24H2」のAI機能はあくまでCopilot+ PC向けとなっている為、「GEEKOM GT1 MEGA」のSoCはNPUを内蔵しているといっても、残念ながら「バージョン24H2」の新機能は使えないのが現状です。ただ、NPUの処理に独自に対応しているアプリでは恩恵を受けることが可能です。

まとめ

手の平サイズのコンパクトな筐体に「Core Ultra 9 185H」というハイエンドSoCを搭載したモデルですが、事務処理やネット閲覧、動画鑑賞程度の通常業務にはパワフル過ぎるスペックで、ゲームも設定次第ではプレイ可能なので、コンパクトでパワフルなPCが欲しいユーザーにはオススメです。

また、ミニPCで気になるファンの音ですが、「GEEKOM GT1 MEGA」は筐体サイズが同社の他のミニPCに比べると一回り大きくなっており、その影響か、ベンチマーク等の負荷がかかる状況でもファンの音は一段抑えられている印象。ちょっと作業をするとサーっという音はしますが、落ち着くとほぼ無音になることもあり、ファンの騒音対策に取り組んできたことが想像出来ます。

発熱に関しても本体上部は高負荷時でも触っても常温といった感じで、筐体まで熱が伝わらずに本体後方から排熱出来ている印象。

なお、先月に最新のノートPC向けSocとなる「Intel Core Ultraプロセッサー シリーズ2」(開発コードネーム:Lunar Lake)が発表されましたが、「Lunar Lake」を搭載したミニPCがまだ登場していないことや、「Lunar Lake」は薄型軽量ノートPC向けで電力効率やAI性能の向上に重きを置いたSoCとなっているので、通常作業であれば「Core Ultra 9 185H」を搭載した「GEEKOM GT1 MEGA」でもまだまだ十分過ぎる性能となっています。

モデル構成や価格(セール情報も)

「GEEKOM GT1 MEGA」は今回紹介した「Core Ultra 9 185H」を搭載したモデルと、「Core Ultra 7 155H」および「Core Ultra 5 125H」を搭載したモデルの3モデル構成で、現時点では「Core Ultra 9 185H」および「Core Ultra 7 155H」の2モデルが販売されています。

「Core Ultra 9 185H」モデルは32GB RAMと2TB SSDを搭載し、価格は139,900円(税込)、「Core Ultra 7 155H」搭載モデルは32GB RAMと1TB SSDを搭載し、価格は109,900円(税込)で、GEEKOMの公式サイトAmazonなどで購入可能です。

現在、GEEKOMの公式サイトやAmazonではクーポンコード利用で表示価格から更に6%オフで購入出来るキャンペーンを実施しています。各ストアでのクーポンコードは下記の通りなので、購入する場合は是非どうぞ。

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    • 割引率:6%
    • 有効期限:11月30日まで

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