【レビュー】「GEEKOM GT1 MEGA」 ー アルミ製のコンパクトな筐体にCore Ultra 9 185H/32GB/2TBを詰め込んだハイスペックなミニPC
台湾のGEEKOMが先月に国内で発表・発売した最新のミニPC「GEEKOM GT1 MEGA」を提供頂いたので紹介します。
「GEEKOM GT1 MEGA」はわずか0.5リットルのスリムな一体型アルミシャーシにIntelの第14世代ノートPC向けプSoC「Core U9-185H / U7-155H / U5-125H」を搭載した最新のミニPC。
今回レビューをお伝えするのは「GEEKOM GT1 MEGA」の中でも最上位モデルとなるCore U9-185H搭載モデルで、詳細は以下の通り。
外観デザイン
まず同梱品は、写真左上から時計回りで、本体、VESAマウンタ、電源ケーブル、HDMIケーブル、電源アダプタ、説明書など。
電源ケーブルのコンセントプラグは同社のこれまでのモデルと同じくアース付きの3Pタイプ。国内で使用するには2Pタイプへの変換プラグが必須。そろそろ国内向けモデルは2Pタイプのケーブルを同梱して欲しいところ。
本体重量は実測699gで、他のミニPCと同じく電源は内蔵しておらず、120WのACアダプタが別途付属しています。このACアダプタはGEEKOMの他のミニPCと共通のモデルで、Shenzhen Hyleton Technology(深圳市海龙通科技)製となっており、サイズは約97×63×22㎜で、重さはACアダプタのみで約257g、電源ケーブル込みで約382g。
本体は継ぎ目のないグレーのアルミ製シャーシでスタイリッシュなデザインを採用しており、他社製のミニPCに比べると高級感のあるデザインとなっているのが特徴。また、本体サイズは135×132×46.9㎜で、これまでにレビューしてきた同社製ミニPCの中では大きい部類に入ります。
高さ149.6㎜、横幅71.5㎜の「iPhone 16 Pro」と大きさを比較したものが下記画像。
本体前面にはUSB-Aポート×4と3.5㎜ヘッドセット端子と電源ボタンが用意されており、USB-Aポートは全て USB3.2 Gen2規格となっています。USB-Cデバイスが増えてきたので、前面にもUSB-Cポートが1つでもあれば嬉しいところ。
背面には左から電源入力、USB4、HDMI 2.0、RJ45 2.5Gbps×2、USB-A(USB3.2 Gen2)、USB-A(USB 2.0)、USB4、HDMI2.0といったポートが用意されており、USB4×2とHDMI 2.0×2を利用することで最大4つのディスプレイへの4K出力が可能で、USB4ポートで最大8K出力も可能となっています。
USB4ポートは、データ転送速度が最大40Gbpsなのに加え、eGPUやSSDなどの外部デバイスも接続可能。また、左側のUSB4ポートの上に電源マークのアイコンが描かれているので、試しにUSB-C充電器を繋いでみたところ、100W出力の充電器で起動は可能でした。ただ、デスクトップ画面が表示されると同時に電力不足になるのか電源が落ちてしまうといった感じで、手元にそれ以上の出力の充電器がなかったので試せなかったものの、ACアダプタと同じく120W以上のUSB充電器があればそれでも電力供給が可能かもしれません。
本体右側面はケンジントンロックのみで、空気を取り入れるためにメッシュ状の穴が開けられています。
左側面もメッシュ状のデザインは同じですが、こちらはSDカードスロットが設けられています。
底面はVESAマウントを取り付ける為のネジ穴がある他、4つのゴム足が取り付けられており、置いた際の安定度はしっかりしています。
内部構造
底面のゴム足は両面テープとツメで取り付けられており、手で簡単に剥がせるようになっています。ゴム足を取り外すことで内部にアクセスする為のネジが現れる仕組み。ネジは通常のプラスネジなので、特殊なドライバーなどを用意する必要はなく、他のミニPCと同じく簡単に内部にアクセス出来るようになっています。
底蓋を取り外したところですが、樹脂製の底蓋の内側には金属製のカバーが取り付けられており、底蓋にはアンテナ線などが取り付けられていない為、完全に取り外すことが可能。ただ、この金属製カバーにはアンテナ線が取り付けられており、後述しますが、金属製カバーを開封することは出来る限り避けた方が良いと思う設計となっています。
金属製のカバーを開け、SSDを取り外したところが下記画像。標準搭載のSSDはM.2 2280 PCIe Gen 4 x 4 SSDで、画像では一番上の無線チップの上に重ねて取り付けられています。
RAMはCrucial製の16GB DDR5-5600 SODIMM(型番:CT16G56C46S5)が2枚装着されており、設計上は最大64GBまで増設可能。RAMは比較的簡単に取り外せる為、換装は容易です。
SSDはCrucial製の2TBのPCIe M.2 2280 SSD(型番:CT2000P3PSSD8)が搭載されており、ネジを1つ外すだけで簡単に取り外すことが可能。
マザーボードにはM.2 2242 SATAIII SSDを取り付ける為のコネクタも用意されており、最大1TBまでのM.2 2242 SATAIII SSDを増設可能。
無線チップはSSDの下に取り付けられており、アンテナ線が外れないように貼られた透明の樹脂製プレートをSSDで押さえつける形になっており、アンテナ線は金属製カバーに取り付けられている為、内部にアクセスする為に金属製カバーを上に持ち上げ過ぎるとアンテナ線が抜けてしまうといった問題があります。
筆者も経験しましたが、アンテナ線が一度チップから外れると取り付けるには金属製カバーからアンテナ線を取り外す必要があり、その作業はかなり苦労するのでSSDを換装する場合はかなり気をつける必要があります。基本的に中を換装する必要がないのであれば開封しないことをオススメします。
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