M3/M3 Pro/M3 Maxの各チップの仕様をM2シリーズと比較してみた ｰ M3 Maxは上位モデルと下位モデルでメモリ帯域幅に違いあり

本日、Appleが、M3/M3 Pro/M3 Maxチップを搭載した新型「MacBook Pro 14/16インチ」を発表しましたが、各チップとM2シリーズチップの仕様を表にまとめてみました。

詳細は以下の通りですが、M3 ProチップやM3 Maxチップの一部モデルの仕様上の数値は旧チップのM2 Pro/M2 Maxチップよりも劣っている場合があることが分かっています。

M3 vs. M2

M2チップとM3チップは仕様上はハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング対応の有無やトランジスタ数のみとなっていますが、実際には製造プロセスなどが異なっており、正当進化しています。

	M2	M3
CPU	8コア 4つの高性能コア 4つの高効率コア	8コア 4つの高性能コア 4つの高効率コア
GPU	10コア	10コア
Neural Engine	16コア	16コア
メモリ帯域幅	100GB/s	100GB/s
メモリ	最大24GB	最大24GB
ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング	×	○
トランジスタ数	200億	250億

M3 Pro vs. M2 Pro

M3 Proチップはメモリ帯域幅がM2 Proチップの200GB/sから150GB/sに引き下げられている他、CPUの高性能コア数もM2 Proチップに比べると少なくなっており、GPUのコア数も同じく少なくなっています。この影響でトランジスタ数も減っています。

	M2 Pro (下位)	M2 Pro (上位)	M3 Pro (下位)	M3 Pro (上位)
CPU	10コア 6つの高性能コア 4つの高効率コア	12コア 8つの高性能コア 4つの高効率コア	11コア 5つの高性能コア 6つの高効率コア	12コア 6つの高性能コア 6つの高効率コア
GPU	16コア	19コア	14コア	18コア
Neural Engine	16コア	16コア	16コア	16コア
メモリ帯域幅	200GB/s	200GB/s	150GB/s	150GB/s
メモリ	最大32GB	最大32GB	最大36GB	最大36GB
ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング	×	×	○	○
トランジスタ数	400億	400億	370億	370億

M3 Max vs. M2 Max

M3 Maxチップについては、メモリ帯域幅がモデルによって異なっており、14コアCPUの下位モデルは300GB/sなのに対し、16コアCPUの上位モデルは400GB/sとなっています。

	M2 Max (下位)	M2 Max (上位)	M3 Max (下位)	M3 Max (上位)
CPU	12コア 8つの高性能コア 4つの高効率コア	12コア 8つの高性能コア 4つの高効率コア	14コア 10つの高性能コア 4つの高効率コア	16コア 12つの高性能コア 4つの高効率コア
GPU	30コア	38コア	30コア	40コア
Neural Engine	16コア	16コア	16コア	16コア
メモリ帯域幅	400GB/s (?)	400GB/s	300GB/s	400GB/s
メモリ	最大64GB	最大96GB	最大96GB	最大128GB
ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング	×	×	○	○
トランジスタ数	670億	670億	920億	920億

なお、これらはあくまで仕様上の数値の違いに過ぎず、実際にはM3シリーズとM2シリーズでは製造プロセスやアーキテクチャなどに違いがあります。

また、GPUもより高速で、より効率的で、Dynamic Cachingという新しいテクノロジーを導入した次世代GPUアーキテクチャを採用している他、メディアエンジンもAV1デコードに対応しており、実際のパフォーマンスの違いについては発売後のベンチマーク結果などを待つしかなさそうです。

・Apple公式サイト
・MacBook Pro 14インチ
・MacBook Pro 16インチ

［via Max Weinbach］