【レビュー】8K/360度ドローン「Antigravity A1 Follow Meキット」 ー 腕時計型と指輪型リモコンで手軽に空撮可能に

Insta360から誕生したドローンブランドのAntigravityが発売した8K 360度ドローン「Antigravity A1」をゴーグルを装着せずに使用できる「Follow Meキット」のサンプルを提供頂いたので紹介します。
「Antigravity A1」は昨年末に発売された8K/360度映像の撮影に対応したドローンで、自然な手の動きに反応する「Grip モーションコントローラー」と頭の動きで自由に周囲を見渡しながら飛行することが可能な専用ゴーグル「Visionゴーグル」を用いて操作する仕組みでしたが、新たに発売された「Follow Meキット」ではこの「Grip モーションコントローラー」と「Visionゴーグル」を使わず、時計型のコントローラー「ウォッチリモコン」と指にはめる「リングリモコン」を用いて機体を直接目視しながら操作する形。
「Follow Meキット」は、旅行、アウトドアアクティビティ、日常の冒険に寄り添うフライトパートナーとして設計されているとのことで、「Antigravity A1」の本体自体の仕様やスペックに特に変更はなく、操作系のみ、より手軽な装備で簡単な撮影が行えるようにしたキットとなっています。

Follow Meキットの仕様や外観等
実際のセット内容は下記の通りで、冊子類の他、「ウォッチリモコン」および「リングリモコン」の本体やバンド、USBケーブル、替えのプロペラ等が付属しています。また、写真には写っていませんが、「Follow Meキット」は標準で高容量バッテリーが1つ付属しています。

「Follow Meキット」には専用のバッグが付属しており、プロペラガードを付けたまま収納することが可能。バッグの前面にはジップ付きのポケットが用意されており、中はメッシュポケットで仕切られているので、「ウォッチリモコン」などのアクセサリを分けて収納可能です。このバッグはソフトタイプで柔らかく、衝撃吸収用のクッション等も入っていないので、持ち運ぶ際はぶつけたりしないよう注意が必要。


「Follow Meキット」の「Antigravity A1」には本キット向けのプロペラガードが標準で付属しており、このプロペラガードはプロペラの上下左右の全面をガードしてくれるタイプで、結構大型となっています。一応折りた畳めるものの、ロック機能のようなものはなく、少し衝撃を加えると展開されてしまうので、扱いに苦労する場面も。


Antigravity A1(Follow Meキット)の主な仕様
| 離陸重量 (高容量バッテリーとフルカバープロペラガード装着) | 351g |
| 寸法 | 折り畳み時:141.3×96.2×81.4mm 展開時:308.6×382.3×89.2mm |
| 最大飛行時間 | 標準バッテリー装着時:23分 (※5.2K/30fpsで動画記録無効時) |
| 最大水平飛行速度 | 11m/s |
| 最大耐風速 | 10.7m/s |
| 全球測位衛星システム | GPS+Galileo+Beidou |
| 内部ストレージ | 20GB |
| 対応ストレージ | microSD(最大1TB) |
| イメージセンサー | 1/1.28型 |
| 動画解像度 | 8K@30/25/24fps 5.2K@60/50/30/25/24fps 4K@100fps 4Kスローモーション@30/25/24fps |
| 写真解像度 | 55MP (10496×5248) 14MP (5248×2624) |
プロペラガードは取り外し可能なので、取り外すことでコンパクトに折り畳むことが出来ます。プロペラガードの重さは56g。「Follow Meキット」には大容量バッテリーが付属しており、プロペラガードを含めた総重量は351gですが、標準バッテリーを搭載した「Antigravity A1」本体の重さは248gなので、プロペラガードを付けると304gとなります。


日本では屋外を飛行させる100g以上のすべての無人航空機(ドローン・ラジコン機)は、登録を申請し、機体に登録記号を表示し、リモートID機能を備えることが法律で義務づけられており、本機はバッテリーの種類やプロペラガートの有無に関係なく基本的に登録しないと飛行させることが出来ないですが、250g未満の機体をレクリエーション目的(趣味)で飛行させる場合はリモートIDの搭載義務およびFAA(連邦航空局)への機体登録は原則として免除される米国や、欧州(EUおよびEASA加盟国)のドローン規制で免許不要とされるクラス「C0」(250g未満、最高速度19m/s以下など)から外れてしまう為、250g未満にするには標準バッテリーに載せ替え、プロペラガードを外す必要があります。

「Antigravity A1」本体の特徴もさらっと紹介しておきますが、「Antigravity A1」は最大8K@30fpsでの360度映像の撮影に対応したドローンで、ドローンの上部と下部にカメラが搭載されており、Insta360による高度な360度映像スティッチング・アルゴリズムにより、ドローンが完全に映らない360度映像を撮影可能。Insta360の360度アクションカメラと同じく、まずは撮影して、アングルは後から決めるといった撮影方法が可能なのが最大の特徴。
また、自動化されたランディングギア、360°障害物回避、自動帰還機能、過剰な重量を検知して誤用を防ぐペイロード検知機能、20GBの内蔵ストレージなども搭載されています。


ウォッチリモコン
「ウォッチリモコン」に付属のバンドを付けた状態が下記画像。1.72インチの液晶ディスプレイを搭載し、IP67等級の防水性能を備え、バッテリー駆動時間は追跡モードで5時間以上、待機時間は3日間以上となっており、ドローンのバッテリーの方が先に無くなるので、バッテリー駆動時間はあまり気にする必要はないかも。なお、バンドはマジックテープ式で無理をすれば実測で12〜22cmまでの手首サイズに巻くことが可能(若干無理をしているので、安全に巻くには14〜20cmくらいと考えておいた方が良いと思います)。

「ウォッチリモコン」は「Apple Watch Ultra」と同じくらいの大きさで、厚さは一回り厚いくらいのサイズ感。本体下部に充電用のUSB-Cポートが搭載されており、本体上部に電源ボタンや録画開始ボタンが搭載されています。


また、IP67等級の防水防塵性能も備えており、埃っぽい場所での使用も問題ななく、ドローンを飛ばす際に流石に雨の中飛ばすことはないと思いますが、一応防水性あり。
ウォッチリモコンの仕様
| 重さ | 44.7g |
| ディスプレイ | 1.72インチ 液晶ディスプレイ |
| バッテリー | 追跡モード:5時間以上 待機モード:3日以上 |
| 防水防塵性能 | IP67 |
| 最大映像伝送距離 | 環境干渉や障害物のレベルに応じて20~200m ・障害物や妨害がある場合:20~50m ・障害物や妨害がない場合:150~200m |
リングリモコン

「リングリモコン」はマジックテープで人差し指に装着する指輪型のリモコン。構造はシンプルで、ボタン1つとLEDインジケーターのみ。46〜70㎜の指の太さに対応し、重さは8.2gなので着けているのを忘れるくらい。バッテリーは「ウォッチリモコン」と同じく1日ドローンを飛ばしまくるような状況がない限りは気にしなくて良いくらいの駆動時間となっています。
バイブレーターが内蔵されており、操作を行う際に振動で知らせてくれる仕組み。なお、「Follow Meキット」では「ウォッチリモコン」さえあれば一応「Antigravity A1」を飛ばすことは可能で、「リングリモコン」は後述するある機能で必要となります。
なお、「リングリモコン」の充電は専用のクリップ型アダプタ(ここだけInsta360のロゴ入り)で挟んで、USB-Cケーブルで行います。

リングリモコンの仕様
| 重さ | 8.2g |
| バッテリー | 5時間以上 |
| 対応する指のサイズ | 指の周囲:46〜70㎜ |
| 防水防塵性能 | IP67 |
ウォッチリモコンの機能面を紹介
「ウォッチリモコン」を初回起動すると、言語や取り付ける腕を選択し、「リングリモコン」や「Antigravity A1」とペアリングすることで利用可能になりますが、その前に国土交通省の無人航空機登録ポータルサイトで、「機体登録」を行い、「リモートID」を登録をしておく必要あり。「リモートID」は「Antigravity」のスマホアプリとドローンをペアリングすることで搭載出来ます。
下記画像は「ウォッチリモコン」のトップ画面で、「リングリモコン」や「Antigravity A1」と一度でもペアリングしていると「CONNECT」ボタンから再接続が可能。

接続画面の歯車アイコンをタップすると、「ウォッチリモコン」自体の設定変更の他、「Antigravity A1」の各種設定の変更やキャリブレーションを行ったりすることが可能。


「Antigravity A1」と接続され、飛行可能になった画面が下記画像。GPSなどの各種受信状況やバッテリー残量、コンパス、ストレージの残り撮影可能時間、離陸ボタンなどが1つにまとめられています。画面サイズが1.72インチなので少し情報量が多く、慣れるまでは戸惑う場面もありましたが、慣れれば問題はないかと。また、画面はタッチ操作に対応しているので、タップやスワイプ操作で各種操作が可能。タッチ操作の感度は普通ですが、画面が小さいので手が大きい筆者にとっては少し不憫。視認性については輝度を最大まで上げることで晴れた日でも特に問題なし。

画面左端から右にスワイプすると設定画面が表示され、カメラ機能の各種設定では動画や写真の撮影モードの切り替え、解像度・フレームレートの選択、ストレージの設定などが可能。撮影モードは、動画、スローモーション、タイムラプス、写真、HDR写真、バースト写真、AEB撮影が用意されており、動画とスローモーションのみ各種撮影モードで利用可能ですが、他はマニュアルモードでのみ利用可能。

画面右端から左にスワイプすると、カメラのISOや露出、ホワイトバランスなどをマニュアルで変更可能。

画面下から上にスワイプすると、飛行モードを選択出来る画面にアクセス可能。飛行モードは、マニュアルの他、Deep Track、Orbit Follow、サイクリング、スキーといった各種トラッキング(追跡)モードが用意されています。また、映画のような動きを自動的に実行してくれる「スカイジーニー(Sky Genie)」としてFlay Away、Antigravity Line、Ascend、Oval Orbit、Spiral Ascent、Arc Shot、Arc Outが用意されています。

実際に飛ばしてみた

「Follow Meキット」を使って実際に飛ばして色々とテストしてみました。
ディープトラックと障害物回避機能
まず、「Antigravity A1」は「ディープトラック」で被写体を自動追尾しながら周囲を8K 360度で記録してくれるのが特徴で、「Antigravity A1」のビジュアルトラッキングと「ウォッチリモコン」に内蔵されたGNSS(全球測位衛星システム)を組み合わせることで被写体の追尾性能が向上しています。
これにより、被写体が移動するシーンや遮蔽物によって一時的に見えなくなる場面でも、より安定したトラッキングが可能。さらに、全方向障害物回避機能によって追跡中も障害物を回避しながら撮影してくれます。
トラッキング対象をタップで選択し、追跡する方向や距離・高さを選ぶだけで、あとは勝手に空撮し続けてくれるので、ユーザーはハイキングやサイクリングやスキーといったアクティビティを含めて自由に活動できるようになります。

下記動画は実際に背後から追跡させて歩き、わざと木のそばや木陰を通ってみた映像となっています。木の枝や葉っぱを検知して回避し、被写体と少し間が開いても追いかけてくれます。
ドラッグして飛行
「ドラッグして飛行」は「リングリモコン」を利用すると、腕の動きだけで直接ドローンを前後上下左右に操作することが可能な機能。
「ドラッグして飛行」は「リングリモコン」を押し続けることで起動し、前後は腕を内側・外側にひねる形で、上下左右は腕を左右上下に振るだけ。ただ、前後と上下左右の操作は一度には出来ない仕様(Orbit Followモードを除く)なので、切り替えたい場合はボタンを押し直す形。ボタンを放すと空中でピタッと止まってくれます。
実際に「ドラッグして飛行」で「Antigravity A1」を操作している様子を撮影したものが下記動画。どうしても慣性や腕の動きに遅れて追従してくる感じがあるので、慣れるまでは少し難しい。
本機能は「Antigravity A1」を魔法のように腕を振るだけで自由自在に飛ばす為のものではなく、あくまで撮影時の「Antigravity A1」の位置と距離を素早く調整する為のもので、サイクリングなどのアクティビティ中でも手のジェスチャーでショットの構図をより自由にリアルタイムで調整出来ます。
「Orbit Follow(旋回追従)モード」だけは撮影中に前後上下左右に自由に動かせることができ、下記映像のように空撮しながら高さや距離を腕の動きだけで自由に動かすことが可能です。まだまだ操作に慣れていないので少し動きのぎこちなさは残ってますが…。
ちなみに「ドラッグして飛行」は「ウォッチリモコン」でも利用可能ですが、前後と上下左右を切り替える際にタップ操作が必要なので、より直感的に素早く操作するには「リングリモコン」が必須。
ワンタップでシネマティックショットを撮影
映画のような動きを自動的に実行する多彩なインテリジェント撮影テンプレート「スカイジーニー(Sky Genie)」が利用可能。「Follow Meキット」は「Grip モーションコントローラー」ほど自由自在に飛ばせるといった訳ではなく、操作範囲や飛ばせる距離が限られている為、景勝地などで撮影する際はこの「スカイジーニー」を良く使うことになります。
上述した通り、「スカイジーニー」はFlay Away、Antigravity Line、Ascend、Oval Orbit、Spiral Ascent、Arc Shot、Arc Outといった7つの動きが用意されており、撮影場所によって使い分ける感じ。操作は簡単で、被写体をタップして追跡状態にし、好きな「スカイジーニー」を選んでスタートボタンをタップするだけ。その後は「Antigravity A1」が勝手に被写体の周りを撮影しながら飛び回り、一連の動作が終わるとスタート地点に戻ってきてくれます。

下記動画は実際にSpiral AscentとFlay Awayがどんな感じかを撮影したもの。Spiral Ascentは被写体を中心に旋回しながら上昇し、Flay Awayは上昇しながら引きの撮影が可能。操作技術を必要とせず映画のような映像が撮影出来るので、初心者には嬉しい機能。
マニュアル操作で飛ばすことも一応可能
「ウォッチリモコン」を利用することで、完全なマニュアル操作も一応は可能。
マニュアルモードにすると、画面の左右端に前進/後退と上昇/下降を操作するスライダーが表示されるので、そのスライダーをタップ&ホールドしたまま指を上下にスライドさせると「Antigravity A1」が動きます。左右旋回は画面を左右にスワイプする形で、一度のスワイプ操作で旋回出来る範囲が限られているので、180度等の大きな方向転換したい場合は数回スワイプする必要あり。

小さい画面に対して指先でタッチ操作を行う形なので、上手く入力出来なかったり、細かな調整が難しいなど、こちらも「ドラッグして飛行」と一緒で構図の変更や微調整などに使うものと考えておいた方が良さそう。
伝送距離が短いので注意!!

「Visionゴーグル」の最大伝送距離が0.5〜10kmなのに対し、「ウォッチリモコン」は20〜200mとなっており、遠くまで飛ばすことは出来ず、あくまで目視で見える範囲内となっているので、遠くまで自由に飛ばしたい人には向いていません。
実際、視界が開けた場所で最大限まで飛ばした場合、高度50m×距離70mくらいが限界でした。それ以上飛ばそうとすると警告が表示され止まるようになっており、高度は距離に関わらず50mで必ず警告が出る為、基本的に50mまでのようです。
アプリの自動編集機能でオシャレな動画を簡単に作れる

Insta360のアクションカメラと同じくスマホ向けに「Antigravity」アプリが用意されており、同アプリを利用することで撮影した動画を簡単に自動編集でまとめてくれます。動画編集画面の基本的なUIは「Insta360」アプリと同じで、Insta360ユーザーであれば違和感なく利用可能。
初心者でも撮影した動画を読み込み、使いたい動画を選択してタップするだけで1つの動画に仕上げてくれます。自動編集で制作された動画は後からユーザー自身で細かな調整を行うことも可能なので、取り敢えず自動編集で1つにまとめ、好きな場面に差し替える等である程度の動画を制作可能です。
実際に同機能を使って制作した映像が下記動画。筆者はドローンでの撮影も動画編集もド素人な上、観光地でもないアメリカの僻地で撮影した為、見栄えはしないですが…参考まで。※米国での撮影は250g未満の場合でも事前準備(安全講習「TRUST」の受講など)が必要。
また、WindowsやMac向けの公式編集ソフト「Antigravity Studio」も用意されており、こちらも基本的には「Insta360 Studio」がベースとなっているので、Insta360製品で撮影した動画を良く編集している方であればすんなり使えます。こちらは手動で編集する形ですが、360度映像ならではの様々なアクションが用意されているので、ドラッグ&ドロップで簡単に追加することができ、実際に十数分で作ってみた動画が下記動画です。
まとめ

「Follow Meキット」は「ドラッグして飛行」やマニュアル操作は可能なものの、自由自在に思いのまま動かせるという訳ではなく、伝送距離の問題もあることから、あくまで自撮りやVlog、ちょっとした風景撮影、アクティビティの追跡撮影に特化したキットとなっていますが、「Antigravity A1」を空撮カメラマンして撮影を任せ、ユーザー自身は手ぶらで地上のアクティビティを楽しむといった使い方が可能なので、1人で完結可能です。
また、追跡性能も優秀な上、360度全方位を撮影してくれるので、わざわざドローンの向きを気にする必要なく飛ばし続けられるのも操作に不慣れな初心者には有り難いと感じました。
さらに、ゴーグルを装着せずに気軽にパッと飛ばせるのも「Follow Meキット」の魅力ですが、本キットで「Antigravity A1」を飛ばしていると、正直なところもっと自由に遠くまで思いのまま飛ばしたいという気持ちが出てくる為、ゴーグルはちょっと…というユーザー向けにディスプレイを搭載したリモコンを別途出してくれると嬉しいところ。「Follow Meキット」と同時にデュアルスティック式プロポ型の「リモコン」も発売されたものの、あくまで「Visionゴーグル」が必須なので…。
なお、「Follow Me キット」の価格は115,900円(税込)からとなっており、記事公開時点では発売記念で最大10%オフで販売中で、大容量フライトバッテリーが無料で貰えます。
「Visionゴーグル」などが付属した本格的なモデルの価格は20万円以上(セールだと約16万円ほど)で、「Follow Me キット」はかなり割安に購入できるので、360度ドローンの入門用としてもオススメ。「Visionゴーグル」や各種コントローラーは別途個別に追加購入も可能です。
また、「Antigravity A1」を既に持っているユーザー向けに「ウォッチリモコン」や「リングリモコン」などのアクセサリだけをまとめた「Follow Me アクセサリーキット」も57,000円(税込)で用意されており、こちらも発売記念として20%オフの45,600円で販売中です。
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