【レビュー】Intel Core i9-12900HK搭載で6万円台から購入可能な高コスパのミニPC「KODLIX GD90」

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【レビュー】Intel Core i9-12900HK搭載で6万円台から購入可能な高コスパのミニPC「KODLIX GD90」

KODLIX(コードリックス)よりミニPC「GD90」を提供頂いたのでレビューします。

まず「KODLIX」という名前は聞いたことがないユーザーも多いと思いますが、ミニPCでは有名なMINISFORUMのサブブランドとなっており、多数のミニPCを投入しているMINISFORUMのサブブランドということもあり、品質面もしっかりしており、購入後18ヶ月の保証も付属しているので安心出来ます。

今回レビューする「GD90」はIntelの第12世代Coreプロセッサである「Core i9-12900HK」を搭載したモデル。

目次

外観や内部構造

まず同梱品は、写真左上から時計回りで、説明書等、VESAマウンタ、SATA変換ケーブル、HDD/SSD固定用ネジ、電源ケーブル、HDMIケーブル、ACアダプター。

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本体重量は実測550gで、他のミニPCと同じくこの本体サイズなので電源は内蔵しておらず、120WのACアダプターが別途付属しています。付属のACアダプターは以前にレビューしたMinisforumの「Minisforum UH125 Pro」に同梱されているものと同じで、サイズは約79×79×30㎜で、重さは約280g。

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▲ACアダプターの表面や側面にはMinisforumのロゴも

デザインに関しては全面がプラスチック製で金属素材は一切採用しておらず、本体が軽いのもそのことが影響しているのかも。ただ、薄ら光沢のあるブラック一色のデザインなので、プラスチック製筐体を採用しているからといって、チープさはなく、パッと見たレベルではプラスチック製とも分からない感じ。個人的にはシンプルで良いと思います。

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前面は左から、CMOSクリアボタン、電源ボタン、3.5㎜イヤホンジャック、USB-A(USB3.2 Gen2)×2、DMICといった構成。ミニPCではまだ前面にUSB-Cポートを搭載したモデルが少ないのですが、そろそろ前面にもUSB-Cポートが1つでも欲しいところ。

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本体の左右側面は吸気用の通気口が用意されているだけ。

背面は左から、電源入力、USB-C(USB3.2 Gen2)、HDMI2.0、RJ45 2.5Gbps LAN、DisplayPort 1.4、USB-A(USB2.0)×2といった感じで、USB-CポートはUSB Power Deliveryと4K@60Hzの画面出力に対応。また、排気口とケンジントンロックが用意されており、本体の側面と底面から吸気し、背面に排熱する仕組み。

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底面にも吸気用の通気口が多数開けられており、四隅にゴム足があります。

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ミニPCに多いゴム足を外すとネジにアクセス出来る仕組み。ゴム足は粘着テープで取り付けられているだけですが、外す際に誤って粘着テープがゴム足から取れてしまうこともあり、注意が必要。

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ネジは全て「+」ネジの為、特殊なドライバー等を用意する必要はなく、内部へのアクセスは容易な設計。後述する2.5インチHDD/SSDを増設しない限り、底蓋には何も繋がっておらず、開封する際に注意する必要もありません。

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RAMは最近のミニPCに多く採用され始めているWooposit社製のDDR4-3200 16GBが2枚装着されており、型番は「WPBH32D408SWM」。

SSDはKingston製で、「OM8PGP41024Q-A0」という型番のM.2 2280 1024GB NVMe SSD。SSDの表面には熱伝導シリコンパッドとアルミ製ヒートシンクが2つの輪ゴムで装着されています。

手元にHDDやSSDが無かったので試せなかったですが、SATAケーブル(‎eSATA)が付属しており、それを基板に接続することで2.5インチのHDDおよびSSDを底蓋上に増設することが可能。

最後に、本体サイズは約129 x 128 x 5.3mmで、「iPhone 15 Pro」と比較したサイズ感が下記画像で、ミニPCとしては大きくも小さくもないといった大きさ。

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ちなみに外箱はコストダウンの為か、装飾などがないシンプルなデザイン。個人的には全然これはこれでシンプルで良い感じ。

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スペック

「KODLIX GD90」に搭載されている「Core i9-12900HK」は14コア(Pコア×6+Eコア×8)、20スレッド、ベース周波数2.5GHz、最大周波数5.0GHz、キャッシュは24MBのプロセッサ。末尾が”HK”なのでモバイル用SKUの中ではハイパワーモデルで、オーバークロックが可能なモデルでもあるのでIntel Exterme Tuning Utilityで実行しようとしたところ出来なかった為、メーカーに確認したところCPUのオーバークロックは未対応とのことでした。今回は試していないものの、メモリのオーバークロックには対応しているそうです。

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▲Intel Exterme Tuning Utilityの画面

メモリはDDR4-3200 16GB×2の合計32GB(最大64GBまで拡張可能)、ストレージはM.2 2280 PCIe4.0 SSDの1TB(最大2TBまで拡張可能)、OSは「Windows 11 Pro」となっています。

グラフィックスはプロセッサ内蔵の「Intel Iris Xe Graphics」なので、パワーはあまり期待出来ないが、ディスプレイ出力はUSB-C(USB3.2 Gen2)、HDMI 2.0、DisplayPort 1.4により最大3画面出力(4K@60Hz)に対応。

ネットワークは、2.5GbE、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2。その他のインターフェイスは上述した通り、前面に3.5㎜イヤホンジャック、USB-A(USB3.2 Gen2)×2、背面にUSB-C(USB3.2 Gen2)、HDMI2.0、RJ45 2.5Gbps LAN、DisplayPort 1.4、USB-A(USB2.0)×2といった構成。価格などを考慮すると仕方ないのかもしれないですが、USB4ががないのは残念なところ。

搭載プロセッサのスペック比較表

Core i9-12900HK
CPUコア数14コア
(Pコア×6/Eコア×8)
スレッド数20
ターボ時最大周波数Pコア:5.0GHz
Eコア:3.8GHz
ベース周波数Pコア:2.5GHz
Eコア:1.8GHz
L3キャッシュ24MB
TDP45W
GPUIris Xe Graphics
GPU実行ユニット数96
GPU周波数1.45GHz
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▲CPU情報を「CPU-Z」で表示
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▲システム情報をHWiNFO64で表示

また、OSには「Windows 11 Pro」が搭載されており(AmazonではWindows 11 Homeと表記されている箇所もあるが、実際にProであることを確認済み)、一部の安価な中国製のミニPCでは「Windows」のライセンスの問題が報告されていますが、「KODLIX GD90」に搭載されている「Windows 11 Pro」のライセンス形態は「OEM」となっていることを確認済み。Minisforumのサブブランドということもあり、このあたりもきっちりしている印象。

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KODLIX GD90の主なスペック

本体サイズ129 x 128 x 5.3mm
CPUIntel Core i9-12900HK
GPUIntel Iris Xe Graphics
RAMDDR4-3200 SODIMM デュアルチャネル
32GB(最大64GB)
ストレージM.2 2280 PCIe 4.0 SSD 1TB(装着/最大2TB)
eSATA (2.5インチHDD/SSDを1台搭載可能)
ポート
(後部)
USB-C(USB3.2 Gen2)×1
HDMI2.0×1
RJ45 2.5Gbps LAN×1
DisplayPort 1.4×1
USB-A(USB2.0)×2
ポート
(前面)
3.5㎜イヤホンジャック×1
USB-A(USB3.2 Gen2)×2
Wi-FiWi-Fi 6E
BluetoothBluetooth 5.2
OSWindows 11 Pro

各種ベンチマーク

実機で測定した各種ベンチマークソフトウェアの結果を紹介します。一部のテストは過去にレビューしたことがある同じ世代のCPU「Core i9-12900H」を搭載した「GEEKOM XT12 Pro」、AMDの最新SoC「AMD Ryzen R7-8845HS」を搭載した最新ミニPC「GEEKOM A8」、Intelの最新CPU「Intel Core Ultra 5 125H」を搭載した「MINISFORUM UH125 Pro」とスコアを比較しています。

PC Mark 10

「PC Mark 10」はPCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトで、日常的なPCでの作業やデジタルコンテンツを操作するときの性能に焦点を当てたテスト。どうしても最新のプロセッサを搭載したモデルと比較すると劣ってしまいますが、一般的な使用用途ではまだまだパワフルで、特に動作が遅いと感じることもなく使用可能。

スコア5748
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▲過去にレビューしたミニPCとの比較

CINEBENCH R23/2024

「CINEBENCH R23」はCGレンダリング速度からCPU性能を測定するベンチマークで、CGレンダリングはマルチスレッド処理向きの作業であることからコア/スレッド数が多ければ多いほど性能が高くなる他、動作周波数に比例して性能が上がる傾向もあり、CPUの最大性能を比較するのに最適なベンチマーク。シングルコアについては「Core i9-12900HK」は他の最新CPUとほぼ変わらないスコアで、マルチコアも「Intel Core Ultra 5 125H」に肉薄するスコアとなっています。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)1699
CPU (マルチコア)12674
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▲過去にレビューしたミニPCとの比較

参考までに「CINEBENCH」の最新バージョンである「CINEBENCH 2024」のスコアは下記の通り。まだまだデータが少ないですが、基本的にスコアは「CINEBENCH R23」と同じ傾向に。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)102
CPU (マルチコア)737
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▲過去にレビューしたミニPCとの比較

GeekBench 6

「GeekBench 6」はCPU性能をメインで測定するベンチマークソフトで、シングルコアとマルチコアのスコアの他、GPU性能を測定するベンチマークとして「OpenCL」のスコアも測定可能。

GeekBenchのベンチマークはプロセッサごとのランキングが公開されており、他のプロセッサとのスコアの差など、ランキングの詳細はこちらをご覧下さい。また、OpenCLのスコアのランキングはこちら。最新CPUに比べるとどうしても内蔵GPUの性能に差があることがよく分かります。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)2355
CPU (マルチコア)10429
GPU (OpenCL)15378
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▲過去にレビューしたミニPCとの比較

CrystalDiskMark 8.0.5

「CrystalDiskMark 8」はストレージのデータ転送速度を測定できる定番ベンチマークソフトで、キューやスレッドの数を指定したシーケンシャルリード&ライト、ランダムリード&ライトの計測が可能。

シーケンシャルリードが約4800MB/s、シーケンシャルライトが約3900MB/sといった結果に。NVMe x4 Gen 4の理論値(最大8GB/s)には及ばないものの、通常の使用であれば特に問題ない速度。

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3D Mark

「3DMark」はハイエンドPCからタブレットPCまで利用できる定番3Dベンチマークソフト。DirectX 12を利用したベンチマークなどが用意されており、各テストの測定内容とスコアは下記の通り。

  • Time Spy:ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマーク
  • Night Raid:「Time Spy」よりも軽量化されたテスト、CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイス向けのDirectX 12ベンチマーク
  • Steel Nomad:「Time Spy」に代わるベンチマークで、非レイトレーシングゲームの性能を測定するための推奨ベンチマーク
  • Steel Nomad Light:CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイスの性能を測定するための推奨ベンチマーク
スコア
Time Spy1880
Night Raid17743
Fire Strike5232
Steel Nomad181
Steel Nomad Light1260
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▲過去にレビューしたミニPCとの比較

FINAL FANTASY XV

2018年に発売された重量級のアクションRPG「Final Fantasy XV」のPC版が快適に動作するか否かを推し量るためのベンチマーク。基本的に同ゲームを快適にプレイする以前に動作させることが難しいといった結果で、「軽量品質 / 1280×720 ウインドウ」の設定でなんとか動くといった感じなので、遊べると思わない方が良さそう。

設定スコア評価
軽量品質 / 3840×2160 ウインドウ1112動作困難
軽量品質 / 2560×1440 ウインドウ2027重い
軽量品質 / 1920×1080 ウインドウ2906やや重い
軽量品質 / 1280×720 ウインドウ4127普通

ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー

「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を動作させた場合のパフォーマンスの指標となるスコアを測定出来るベンチマーク。上述した「Final Fantasy XV」ほどではないものの、解像度は”1920×1080″でなければプレイは厳しい状況。

設定スコア評価
3840×2160 高品質
(ノートPC)
1462設定変更が必要
3840×2160 標準品質
(デスクトップPC)
1585設定変更が必要
3840×2160 標準品質
(ノートPC)
1620設定変更が必要
1920×1080 標準品質
(ノートPC)
5800普通

ドラゴンクエストX

上記のFFシリーズのベンチマークよりも軽い「ドラゴンクエストX」のベンチマークのスコアは「最高品質 / 1920×1080/ ウインドウ」でスコアが10365で、評価は”すごく快適”となりました。

3840×2160という解像度でも遊べないことはないものの、1920×1080に落とすことでより快適にプレイ可能なレベル。

設定スコア評価
最高品質 / 3840×2160 / ウインドウ3162普通
標準品質 / 3840×2160 / ウインドウ3136普通
最高品質 / 1920×1080 / ウインドウ10365すごく快適
標準品質 / 1920×1080 / ウインドウ9962とても快適

まとめ

コンパクトな筐体に「Core i9-12900HK」という少し前の世代のハイエンドプロセッサを搭載したモデルですが、事務処理やネット閲覧、動画鑑賞程度の通常業務ならこれで十分過ぎる性能となっています。GPU性能は流石に内蔵GPUなので期待出来ないですが、重たいゲームをしなければ問題なく、通常業務用途のユーザーにはオススメの1台となっています。

中身はMinisforum製なので冷却システムなどの内部設計も問題なく、ファンの音もベンチマークソフト等の重たい作業をさせない限り気にならないレベルです。また、冷却ファンがフル回転するほどの重たい作業を行っている場合でも本体表面の温度は樹脂製なのもあってか低く、手で触ってもほんのりと温かいほど。

価格は83,999円(税込)ですが、記事投稿時点では10,000円オフクーポンが利用可能で、クーポンを利用すると73,999円(税込)で購入可能です。他にも、ストレージが512GBになったモデルが68,999円(税込)、Core i7-12650H/32GB/1TBの構成のモデルがクーポン利用で67,999円(税込)などで販売されており、18ヶ月の保証もついているのも安心です。

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