【レビュー】1万円以下でANC・aptX Lossless対応のワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS Air4 Pro」
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SOUNDPEATSが昨年秋に発売した完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS Air4 Pro」をメーカーより提供頂いたのでレビューをお届けします。
SOUNDPEATSは昔からコスパの良いイヤホンを販売しているメーカーという認識でしたが、今回発売された「SOUNDPEATS Air4 Pro」も8,480円と1万円を切る価格ながら、最大45dBのノイズ低減を実現したアダプティブ・ノイズキャンセリングやロスレスコーデック「aptX Lossless」に対応している他、通話ノイズリダクション、マルチポイント接続、装着検出機能、ゲームモードなど、高機能でコスパの良いモデルとなっています。
同梱品と外観デザイン
同梱品は「SOUNDPEATS Air4 Pro」の本体の他、充電用のUSB-C – USB-Aケーブル、サイズ違いのイヤーピース、説明書のみ。USBケーブルはUSB-C – USB-Cの方が個人的には嬉しいが、最近は他にケーブルを持っているユーザーも多いと思うのであくまでオマケといった感じ。
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充電ケース本体は丸みを帯びた非常にコンパクトなデザイン。樹脂製だが光沢があるような素材が採用されている。ただ、手垢や手の油がちょっと目立ち易い印象。充電ケースの前面には充電状況やペアリングモードなどを示すためのLEDインジケーターがあります。
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充電ケースの背面のヒンジ部分には「SOUNDPEATS」のロゴ。また、画像では分かり難いですが、充電ケースの右側面にあるアクセント部分には「Hear Your Imagination」のキャッチフレーズが刻印されています。充電ポートはUSB-Cで、ペアリングモードにする為のボタンがUSB-Cポートの横に配置されています。
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イヤホンの形状は「AirPods」などと同じくステム(棒状の部分)があるスティック型で、充電ケースからは取り出しやすい印象。ただ、ステム側をケース中央に差し込む形状の為、イヤホンを耳に着けたり、ケースに収納する際には回転させて持ち直さないとダメなので、慣れるまでは戸惑う場合あり。
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イヤホン本体の外側からステムにかけてはマットなカラーリングが採用されており、「S」マークの部分をタップしたりタップ&ホールドすることで様々な操作も可能。ステム部分の長さは約2センチ。
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イヤホンの耳に当たる内側は光沢のある素材となっており、写真では分かり難いものの、ノズルはやや楕円形。イヤーピースには耳垢フィルターが付いていないものの、ノズル部分に耳垢フィルターが付いている上、真鍮のような素材でカバーされています。
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「AirPods Pro」との大きさ比較
参考までにAppleの「AirPods Pro (第1世代)」と大きさを比較してみました。
まず、充電ケースについては「AirPods Pro」に比べると全てのサイズ面で一回り大きくなっています。イヤホンに関してはステムの部分は「SOUNDPEATS Air4 Pro」の方が太く、5㎜ほど長いが、着けてしまえば気にならないサイズ感。
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装着感
実際に装着してみると個人的には「AirPods Pro」よりも収まりが良く、圧迫感もなく、頭を振ってもそう簡単に落ちない。装着感はイヤーピースの大きさや個人差もあると思いますが、長時間装着しても耳が痛くなり難く、常時着けていても気にならないタイプのイヤホンという印象。
ステムの部分も「AirPods Pro」より長いものの、特に気にならず、着け外しする際に持ち易い。
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スペックや使用感
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「SOUNDPEATS Air4 Pro」は、QualcommのBluetooth SoC「QCC3071」を搭載。サウンドプラットフォームの「Snapdragon Sound」に対応し、通信状態に応じてビットレートを自動調整するコーデック「aptX Adaptive」により最大96kHz/24bitのハイレゾ品質の再生が可能な他、ロスレスコーデック「aptX Lossless」もサポートしているのでCD品質の44.1kHz/16bitロスレス再生も可能なのが特徴。ただ、CD品質の44.1kHz/16bitロスレス再生は「Snapdragon Sound」に対応するQualcomm Snapdragon 8 Gen 1/8+ Gen 1/8 Gen 2以降を搭載した端末とのペアリングが必要です。
13㎜の大口径ダイナミックドライバーには、パルプ繊維、PU材料という特性が異なる3つの素材を組み合わせることで硬さと軽さを確保し、内部損失の少なくした振動板「バイオセルロース複合振動板」というものが搭載されており、異なる材料の特性を最大限に生かし、クリアな中音域とダイナミクス、より自然なサウンドを実現しています。
音質
筆者はSOUNDPEATSのワイヤレスイヤホンは初めての体験でしたが、音に関しては高音や低音のどちらかに寄っているという印象はなく、バランスの取れた感じ。安いイヤホンにあるようなドンシャリ感もなく、価格の割には良い音だと思ったのが正直な感想です。
また、後述するイコライザー機能やアダプティプイコライザー機能により好みの音質に変更できるのも嬉しいところです。
アダプティブノイズキャンセリング
アダプティブアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能では、可聴域において最大45dBのノイズ低減を実現しており、イヤホンの装着状態やユーザーの耳の形状に合わせて、周りの騒音を自動的かつ継続的に微調整することで、移動しながら常にリスニングを最適化することが可能。また、イヤホンを着けたまま会話やアナウンスが聴ける外音取り込み機能も搭載しています。
ANCの効き具合に関しては、車の走行音や街の喧騒、エアコンや換気扇の音には強く、適度にかき消してくれますが、人の話し声やテレビの音などには少し弱いといった感じ。また、不具合なのか仕様なのかは不明ですが、アプリ側で外音取り込みモードからANCモードに切り替えると上手くANCが動作せず、ノーマルモードと同じような状態になってしまう事例あり。
なお、ANCモードや外音取り込みモードの切り替えは、本体のタッチ操作でも可能で、左耳用のイヤホンをタップ&ホールドで切り替えが可能です。
ただ、タッチ操作で変更する場合、「ノーマル⇒ANCオン⇒外音取り込みモード⇒ノーマル」といった感じで各モードを順番に切り替えるしかなく、1回の操作でANCをオンに出来ない場合があるので、アプリ側で操作方法のカスタマイズが出来れば良かったかも。また、切り替え時に女性の声で各モードのアナウンスが英語で入るのが個人的には不要かなとも思いました。今どのモードなのかが分かり易いが、「AirPods Pro」のように効果音だけにしてくれた方が音楽を聞いてる際には邪魔にならないかと。
外部音取り込みモードに関しては、ONにすると”サー”というノイズが入るものの、イヤホンをしていない状態よりも僅かながら音を大きめに拾ってくれる印象。
aptX Voice対応
通話面では「aptX Voice」に対応し、標準的なBluetooth音声通話品質のサンプリングレートである16kHzの2倍に相当する32kHzの超広帯域音声通話を実現している他、通話ノイズキャンセリング機能も搭載しており、ノイズリダクション機能を搭載した6つのマイクと組み合わせ、周囲の雑音を除去し、大事なオンライン会議や大切な会話で声を正確に伝えてくれます。
本製品の主な仕様はこちらをクリック
形式 | カナル型 |
ドライバー | 13mmダイナミックドライバー |
再生周波数帯域 | 20Hz—20KHz |
対応コーデック | aptX Lossless aptx adaptive aptx AAC SBC |
Bluetoothチップ | QCC3071 |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
バッテリー駆動時間 (イヤホン単体) | 6.5時間 |
バッテリー駆動時間 (充電ケース併用時) | 26時間 |
充電時間 (イヤホン単体) | 1.5時間 |
充電時間 (充電ケース) | 2時間 |
充電コネクタ | USB-C |
重量 (イヤホン片耳) | 3g |
重量 (全体) | 36g |
Adaptive ANC | 対応 |
aptx Voice | 対応 |
通話ノイズリダクション | 対応 |
マルチポイント | 対応 |
装着検出機能 | 対応 |
風ノイズ低減 | 対応 |
ゲームモード | 対応(88ms低遅延) |
防水性能 | IPX4 |
専用アプリ
「SOUNDPEATS Air4 Pro」はiOS/Android搭載デバイスともにBluetoothで接続し、本体のタッチ操作で基本的な機能は利用可能なものの、App StoreおよびGoogle Playより「SOUNDPEATS」アプリ(無料)をダウンロードしてインストールすることで、より細かな設定変更や機能が利用可能になります。
アプリを起動すると接続しているイヤホンが自動的に認識され、バッテリー残量が確認可能な他、ファームウェアのアップデートもアプリから行う仕組み。他にイコライザーの変更やノイズキャンセリング機能の変更、ゲームモードのオンオフ、装着自動検出のオンオフなどが行えます。
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イコライザー機能は9種類のプリセットが用意されており、選ぶことで簡単に切り替えることが可能で、マニュアルで自分好みに変更することも可能です。
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他にも、各帯域・音量の聴力検査を複数回行い、使用するユーザーに合ったイコライザーに設定してくれる「ダプティブイコライザー」といった機能も用意されています。
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まとめ
まず、ハイレゾ、アダプティブノイズキャンセリング、マルチポイント接続、アダプティプイコライザー、低遅延ゲームモード、aptX Voiceなどなど、多数の機能を搭載しているにも関わらず8,000円台というコストパフォーマンスには驚きました。
価格的に懸念していた音質面も気になるようなところはなく、装着感も個人的には「AirPods Pro」よりも良い(イヤーチップや耳の大きさにもよるかもですが)感じだったので、価格の割には本当に良く健闘していると思います。
また、aptX AdaptiveやaptX Losslessは対応したスマホが必要ですが、非対応のiPhoneでも十分な音質となっており、あまり気にしなくても良いと思います。
充電ケースがワイヤレス充電に対応していなかったり、イヤホンや充電ケースの質感が価格なりであることなど、妥協点があるのも事実ですが、1万円以下で高機能なイヤホンを探しているユーザーにはオススメ出来るモデルだと思います。
なお、現在は「Amazon 新生活SALE」に合わせて24%オフの7,208円で販売されています。