M3チップのベンチマークデータまとめ(11月7日更新:全チップのデータが出揃う)
Appleが10月31日に発表した新型「iMac」と新型「MacBook Pro 14/16インチ」に搭載されているM3/M3 Pro/M3 MaxチップのGeekBench 6のベンチマークスコアをまとめてみました。
GeekBenchで明らかになったM3チップのCPUの動作周波数は4.05GHzで、M2チップは3.49GHz、M1チップは3.20GHzだったので、順当に上がっています。
また、L1インストラクションキャッシュサイズは128KB、L1データキャッシュサイズは64KB、L2キャッシュサイズは4MBで、これらはM1チップから変わりありません。
現時点でGeekBench 6の各種ベンチマークスコアが明らかになっているモデルは下記の通りで、データ一覧はこちらから確認可能です。(11月5日:Mac15,6/Mac15,10/Mac15,11を追記)
- Mac15,3:MacBook Pro 14インチ(M3/8コアCPU+10コアGPU/16GB RAM)
- Mac15,5:iMac(M3/8コアCPU+10コアGPU/16GB RAM)
- Mac15,6:MacBook Pro 14インチ(M3 Pro/12コアCPU+18コアGPU/36GB RAM)
- Mac15,8:MacBook Pro 16インチ(M3 Max/16コアCPU+40コアGPU/64GB RAM)
- Mac15,9:MacBook Pro 16インチ(M3 Max/16コアCPU+40コアGPU/48GB RAM)
- Mac15,10:MacBook Pro 14インチ(M3 Max/14コアCPU+30コアGPU/96GB RAM)
- Mac15,11:MacBook Pro 16インチ(M3 Max/14コアCPU+30コアGPU/96GB RAM)
なお、各チップのベンチマークスコアの詳細は以下の通り。
CPU性能のベンチマーク
各チップのCPU性能(シングルコアとマルチコア)のスコアをまとめたものが下記の表で、M3 MaxチップのCPU性能のスコアはM2 Maxチップ比で10%〜43%、M1 Maxチップ比で27%〜71%向上しています。また、M3チップとは動作周波数が同じ為、シングルコアはほぼ同じ性能となります。
M3チップのスコアはM2チップ比で16%〜19%、M1チップ比で29%〜39%向上しています。
参考までに、先日にQualcommが発表し、来年半ばに搭載デバイスが登場する予定の「Snapdragon X Elite」のスコアも掲載しており、Config.AはTDP(熱設計電力)が80W、Config.BはTDPが23Wの場合のスコアとなっています。
(追記:11月5日)
新たに「MacBook Pro 14インチ」と「MacBook Pro 16インチ」のM3 Max(14コアCPU)搭載モデルのスコア(1/2/3)と「MacBook Pro 14インチ」のM3 Pro(12コアCPU)搭載モデルのスコア(1)が明らかになったので追記しました。スコアは現状で確認出来ているデータの平均値となっています。
M3シリーズチップは基本的に全てのモデルでCPUの動作周波数は同じであることから、シングルコアのスコアに大きな違いはなく、主にマルチコア性能で差をつけたチップとなっています。
(更新:11月7日)
M3 Proチップの11コアCPUモデルのベンチマークスコアが明らかになったので追記しました。
チップ名 (コア数/高性能+高効率) | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
M3 Max (16コア/12+4) | 3011 | 20805 |
M3 Max (14コア/10+4) | 3106 | 19259 |
M3 Pro (12コア/6+6) | 3035 | 15173 |
M3 Pro (11コア/5+6) | 3102 | 14290 |
M3 (8コア/4+4) | 3016 | 11588 |
M2 Ultra (24コア/16+8) | 2768 | 21317 |
M2 Max (12コア/8+4) | 2736 | 14497 |
M2 Pro (12コア/8+4) | 2649 | 14254 |
M2 Pro (10コア/6+4) | 2640 | 12189 |
M2 (8コア/4+4) | 2631 | 9744 |
M1 Ultra (20コア/16+4) | 2384 | 17823 |
M1 Max (10コア/8+2) | 2377 | 12433 |
M1 Pro (10コア/8+2) | 2375 | 12206 |
M1 Pro (8コア/8+2) | 2362 | 10308 |
M1 (8コア/4+4) | 2350 | 8321 |
A17 Pro (6コア/2+4) | 2900 | 7214 |
A16 Bionic (6コア/2+4) | 2556 | 6486 |
Snapdragon X Elite (Demo Config.A) | 2940 | 15130 |
Snapdragon X Elite (Demo Config.B) | 2780 | 14000 |
OpenCLとMetalのベンチマーク
(更新:11月5日)
新たにM3 Maxチップの30コアGPUモデルのスコアが明らかになった為、内容を見直し、各チップのGPUコア数別にデータをまとめてみました。M3シリーズチップのデータは記事投稿時点で明らかになっている全てのデータをまとめて平均値を取ったものとなっています。
M2 Maxチップ(40コアGPU)の性能は、M1 Ultraチップと同等となっており、M1 Ultraチップに比べるとGPUコア数は少ないにも関わらず、ほぼ同等の性能を示しています。また、M2 Maxチップ(38コアGPU)比でOpenCLは約9%、Metalは約8%の性能向上となっています。
M3 Maxチップ(30コアGPU)の性能は、同じGPUコア数のM2 Maxチップ(30コアGPU)と同レベルとなっていますが、まだデータ数が2つ少ない為、もう少し様子を見る必要がありそうです。
M3チップについては、M2チップよりも順当にスコアが伸びており、OpenCLは約16%、Metalは約11%向上しています。
(更新:11月7日)
M3 ProチップのOpneCLとMetalのベンチマークスコアが明らかになったので追記しました。M3 ProチップのGPUはコア数がM2 Proよりも少なくなった影響か、OpneCLとMetalのスコアはM2 Proチップ比で同等か、少し劣る結果となっています。
チップ名 (GPUのコア数) | OpneCL | Metal |
---|---|---|
M3 Max (40コアGPU) | 92781 | 155649 |
M3 Max (30コアGPU) | 76835 | 125824 |
M3 Pro (18コアGPU) | 50249 | 78743 |
M3 Pro (14コアGPU) | 43127 | 68834 |
M3 (10コアGPU) | 30361 | 47473 |
M2 Ultra (76コアGPU) | 128608 | 220384 |
M2 Ultra (60コアGPU) | 114312 | 202643 |
M2 Max (38コアGPU) | 84986 | 144409 |
M2 Max (30コアGPU) | 76565 | 123636 |
M2 Pro (19コアGPU) | 50300 | 81444 |
M2 Pro (16コアGPU) | 44264 | 73683 |
M2 (10コアGPU) | 27957 | 45535 |
M2 (8コアGPU) | 25232 | 41319 |
M1 Ultra (64コアGPU) | 102353 | 156839 |
M1 Ultra (48コアGPU) | 92807 | 149809 |
M1 Max (32コアGPU) | 68005 | 112984 |
M1 Max (24コアGPU) | 60987 | 108969 |
M1 Pro (16コアGPU) | 40394 | 65921 |
M1 Pro (14コアGPU) | 36934 | 61869 |
M1 (8コアGPU) | 20061 | 32055 |
M1 (7コアGPU) | 18195 | 29477 |
A17 Pro (6コアGPU) | ー | 27105 |
A16 Bionic (6コアGPU) | ー | 22551 |
なお、M3シリーズチップを搭載した「MacBook Pro 14/16インチ」と「iMac 24インチ」は下記リンク先より購入可能です。