【レビュー】Core Ultra 7 356H搭載ミニPC「Minisfourm M2」 ー ローカルLLMが実行可能 & マルチフレーム生成対応が特徴

Minisfourmが発売したばかりの最新ミニPC「Minisfourm M2」を提供頂いたので紹介します。
「Minisfourm M2」は、Panther Lakeアーキテクチャを採用したIntelのモバイル向け最新CPU「Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)」のCore Ultra 7 356Hを搭載したミニPC。GPUはXe3アーキテクチャの「Xeコア」を4基数搭載したIntel Graphics(4コア)を内蔵し、最大50TPOSのNPUも搭載しています。システム全体のAI処理性能は合計90TOPSとなっており、Copilot+ PCの要件を満たしているだけでなく、ローカルでLLM(論理線形モデル)を実行可能なのも特徴。
ラインナップは32GB RAMと1TB SSDを搭載した構成のみで、価格は記事投稿時点では187,199円(税込)となっています。
詳細は以下から。
Minisfourm M2の仕様
まず、「Minisfourm M2」のスペックをまとめると下記の通り。
| 本体サイズ | 130×127×50mm |
| CPU | Intel Core 7 356H 16コア/16スレッド 最大4.7GHz |
| GPU | Intel Graphics Xeコア×4基 2.45GHz 最大40TOPS (Int8) |
| NPU | 最大50TOPS (Int8) |
| RAM | DDR5 5600MHz SO-DIMM 32GB×1 (スロット×2、合計最大128GBまで拡張可能) |
| ストレージ | M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD 1TB (スロット×2、各最大4TBまで) |
| ポート (後部) | USB2.0 Type-A ポート ×1 USB3.2 Gen2 Type-A ポート(10Gbps)×1 HDMI 2.1 ×1 DP1.4 ×1 RJ45 2.5G イーサネットポート×2 |
| ポート (前面) | USB3.2 Gen2 Type-A ポート(10Gbps)×2 3.5 mmコンボジャック×1 USB4ポート(Alt PD出力 15W|PD入力 100W|40Gbps )×1 |
| 画面出力 | HDMI2.1 x 1:4K@60Hz DP1.4x 1:4K@144Hz USB4 x 1:4K@144Hz |
| Wi-Fi | Wi-Fi 7 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
| OS | Windows 11 Pro |
| 重さ | 520g |
搭載されているIntel Core Ultra 7 356Hは、Panther Lakeアーキテクチャを採用し、今年1月に発表され、最先端のIntel 18Aプロセスルールで製造されるIntelのモバイル向け最新CPUの1つで、16コア/16スレッド、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.7GHzとなっています。CPUコアは「パフォーマンスコア(Pコア)」「高効率コア(Eコア)」「低消費電力Eコア(LP Eコア)」の3種類から構成されており、16コアの構成の内訳はPコア4基+Eコア8基+LP Eコア4基といった感じで、CPU名の末尾の「H」はEコアを搭載していることを示しています。
GPUコアには新しい「Xe3アーキテクチャ」が採用され、「Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)」でもモデル名に「X」が付く上位モデルはXeコアが10基および12基搭載されたIntel Arc B370とIntel Arc B390が内蔵されており、理論性能値で上回るAMD製APU「Ryzen AI 9 HX370」を上回り、NVIDIAのノートPC向け単体GPU「GeForce RTX 4050 Laptop GPU」に匹敵すると言われていますが、今回のレビュー機に搭載されているCore Ultra 7 356Hは4基のXeコアを搭載したIntel Graphicsとなっており、GPU性能はちょっと劣ります。実際の性能がどの程度なのかは後述するベンチマークテストを参照してください。

前世代と比較し、性能が大幅に向上した最新の第5世代NPU(Neural Processing Unit)により、AIタスクをより短時間、かつ低消費電力での処理が可能。AI処理性能はGPUで最大40TOPS、NPUで最大50TOPSのシステム合計で最大90TOPSとなっており、「Qwen3.5-35B-A3B」や「GPT-OSS 20B」「Gemma-4-26B-A4B」といったモデルを約21~23tok/sの速度でローカル動作させられると案内されています(テスト環境はRAM 32GB×2)。また、RAMやストレージ容量を含めてCopilot+ PCの要件を満たしています。
RAMは今回レビューに使用した評価機はDDR5 5600MHz SO-DIMM 32GB×1枚のシングルチャネル構成となっていますが、スロットは2つあるのでデュアルチャネルメモリに対応しており、合計最大128GBまで拡張可能です。
搭載されているストレージはM.2 2280 PCIe4.0 NVME SSD 1TBですが、M.2 2280 PCIe4.0 NVME SSDスロットが2つ用意されており、各スロットとも最大4TBまでで合計8TBまで拡張可能です。
インターフェースの特徴としては、前面にUSB4ポートが搭載されており、最大40Gbpsのデータ転送と15WのUSB PD(Power Delivery)出力と100WのUSB PD入力にも対応していることから、付属のACアダプタだけでなく、USB PDの100W出力に対応したUSB充電器やディスプレイを接続しても起動させることが可能。同社のミニPCではお馴染みのOCuLinkが珍しく搭載されていないのですが、USB4で代用が利くとの考えでしょうか。OCuLinkはPCIe直結のため低遅延で、帯域幅もUSB4より高い為、外付けGPUの接続する場合はOCuLinkの方が良かったのですが。もしOCuLinkを使うことを想定している方は要注意です。
無線類はWi-Fi7とBluetooth 5.4に対応しており、ディスプレイ出力はHDMI 2.1、DisplayPort 1.4、USB4で3画面・4K出力に対応しています。
最後に、OSは「Windows 11 Pro (バージョン25H2)」を標準搭載し、「Windows 11 Pro」のライセンス形態は「OEM」となっていることを確認済みです。

外観デザインと内部構造など
外装は一見すると金属製のように見えますが、実際には樹脂性ボディが採用されており、最大の特徴は本体底面側のエッジ部分が丸みを帯びたデザインになっていること。サイズは130×127×50mmで、一般的なミニPCといった感じの大きさ。重さは公称値は520gですが、実測値で508gでした。

同梱品は左から、冊子類、HDMIケーブル、VESAマウント用アダプタ、電源ケーブル、電源アダプタといった構成。

ACアダプタは中国のHuntkey(ハントキー)社製で、同社製ミニPCではお馴染み。120W出力対応で、大きさは実測で約79×79×30㎜、重さは電源ケーブル込みで390g。上述した通り、本製品はUSB4ポートで電源供給も可能なので、ACアダプタやケーブルが煩わしい場合は100W出力対応のUSB-C充電器を用意するのもアリかもしれません。

本体前面のインターフェースは、3.5 mmコンボジャックが1つ、USB4ポート(Alt PD出力 15W|PD入力 100W|40Gbps )が1つ、USB3.2 Gen2 Type-A ポート(10Gbps)が2つといった構成。

左右側面はシンプルに冷却用の吸気口のみ。


本体背面のインターフェースは、USB2.0 Type-A ポート、USB3.2 Gen2 Type-A ポート(10Gbps)、DP1.4、HDMI 2.1 、RJ45 2.5G イーサネットポートが2つといった構成。

底面も吸気用の穴が開けられており、VESAマウント用のネジ穴が用意されています。各コーナーにあるプラスネジを外すことで簡単に内部にアクセス可能で、ミニPCはネジはゴム足の裏に隠されていることが多いですが、本製品はネジは隠れていないので、アクセスし易い設計となっています。ゴム足を外したり、特殊な工具を用意する必要がないのは良いところ。

開封した図が下記画像ですが、本製品は天板が取れる仕組みで、開封すると冷却ファンがマザーボード上に乗っかるような形で配置されています。この冷却ファンは天板と同じネジで留められているので、そのまま持ち上げることで取り外すことが可能。

マザーボード等の内部設計はこんな感じ。RAM、M.2 2280スロット共に空きスロットが1つずつあり増設可能。

RAMはMicronのCrucial 32GB DDR5-5600 SODIMMがシングルチャネルで搭載されていて、SSDはKingstonのM.2 2280 QLC PCIe NVMe SSD 1TBが搭載されており、メーカーの公称値は最大6,100MB/秒読み取り、5,300MB/秒書き込みとなっています。


無線モジュールはIntelの「BE200」で、Wi-Fi7とBluetooth 5.4に対応。

各種ベンチマーク
「Minisfourm M2」の実機で測定した各種ベンチマークソフトウェアの結果を紹介しますが、CPU性能はCore Ultra以前からWebブラウジングやOffice、動画視聴といった一般用途では性能不足を感じることはほぼ皆無になっており、CPU性能よりもGPUやNPUの性能やRAMの搭載量を重視する方向にシフトしています。
そのことから、今回は各種ベンチマークのスコアはさらっと紹介する形とし、Core Ultraシリーズ3のGPUの特徴であるマルチフレーム生成機能やRAMのシングルチャネル構成とデュアルチャネル構成の性能差、アピール項目の1つであるローカルLLMの実行に重点を置いて紹介したいと思います。
なお、下記の各種ベンチマークは、参考までに手元にあった下記のモデルと比較しています。
| モデル名 | CPU | コア/スレッド数 | GPU | RAM |
|---|---|---|---|---|
| M2 | Intel Core 7 356H | 16コア 16スレッド | Intel Graphics (4コア) | DDR5-5600 32GB (32GB×1) |
| X1 Lite | Ryzen 7 255 | 8コア 16スレッド | Radeon 780M (12コア) | DDR5-5600 32GB (16GB×2) |
| AI X1 Pro | Ryzen AI 9 HX 370 | 12コア 24スレッド | Radeon 890M (16コア) | DDR5-5600 64GB (32GB×2) |
各種ベンチマークスコア
PC Mark 10
「PC Mark 10」はPCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトで、日常的なPCでの作業やデジタルコンテンツを操作するときの性能に焦点を当てたテスト。
「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」「Gaming」の4つのテストグループのベンチマークを測定でき、各テストのスコアと総合スコアで性能を表します。各テストグループの詳細は下記の通り。
- Essentials
- PCの基本性能を測るテストグループで、アプリの起動速度を測る「App Start-up」、Webブラウジングに関連する処理性能を測る「Web Browsing」、複数の参加者によるビデオ会議を想定し、処理に関連する性能を測る「Video Conferencing」という合計3つのワークロードを実行。
- Productivity
- Office Suiteのようなビジネスアプリの処理性能を測るテストグループで、ワープロソフトの性能を測る「Writing」と、表計算ソフトの性能を測る「Spreadsheets」という2つのワークロードを実行。
- Digital Content Creation
- コンテンツ制作作業を想定したテストグループで、写真編集に関する性能を計測する「Photo Editing」、動画編集の性能を計測する「Video Editing」、3Dグラフィックスの表示とレイトレーシングによるレンダリングの性能を調べる「Rendering and Visualization」という3つのワークロードを実行。
- Gaming
- ゲームの実行に関わる性能を測るテストグループで、Futuremark製の3Dグラフィックスベンチマークソフト「3DMark」をPCMark 10向けにカスタマイズしたものが入っており,「Fire Strike」プリセットを実行。
「Minisfourm M2」の各テストグループの結果は下記の通りで、下記のスコアであれば一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作、写真、動画、その他のデジタルコンテンツ編集なども問題なくこなせる性能となっています。ただ、ゲーム性能はRAMのシングルチャネル構成であることを踏まえても予想以上に低い結果に。ゲーム性能が影響して総合スコアも低くなっています。
| テスト | スコア |
|---|---|
| 総合スコア | 6722 |
| Essentials | 9344 |
| Productivity | 15233 |
| Digital Contents Creation | 9547 |
| Gaming | 4062 |

3D Mark
「3DMark」はハイエンドPCからタブレットPCまで利用できる定番3Dベンチマークソフト。DirectX 12を利用したベンチマークなどが用意されており、各テストの測定内容とスコアは下記の通り。
| テスト | 測定内容 |
|---|---|
| Night Raid | 「Time Spy」よりも軽量化されたテスト、CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイス向けのDirectX 12ベンチマーク |
| Fire Strike | ゲーミングPC向けのDirectX 11ベンチマーク |
| Steel Nomad | 「Time Spy」に代わるベンチマークで、非レイトレーシングゲームの性能を測定するための推奨ベンチマーク |
| Steel Nomad Light | CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイスの性能を測定するための推奨ベンチマーク |
| Solar Bay | マルチプラットフォーム対応レイトレーシングベンチマーク |
| Speed Way | DirectX 12 Ultimateを利用したレイトレーシングベンチマーク |
「Minisfourm M2」の各テストの結果は下記の通り。
| スコア | |
|---|---|
| Night Raid | 20551 |
| Fire Strike | 7484 |
| Steel Nomad | 490 |
| Steel Nomad Light | 2756 |
| Solar Bay | 9243 |
| Speed Way | 261 |
他のモデルとの比較が下記グラフですが、「PC Mark 10」のゲーム性能のスコアとほぼ同じような結果に。

FINAL FANTASY XV
2018年に発売された重量級のアクションRPG「Final Fantasy XV」のPC版が快適に動作するか否かを推し量るためのベンチマーク。FHD解像度でも画質は軽量品質でようやくプレイ出来るといったレベル。
| 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|
| 高品質 / 1920×1080 ウインドウ | 2068 | 重い |
| 標準品質 / 1920×1080 ウインドウ | 2514 | やや重い |
ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー
「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー」を動作させた場合のパフォーマンスの指標となるスコアを測定出来るベンチマーク。上述した「Final Fantasy XV」と同じくFHD解像度でも画質は標準以下でなければ厳しい結果に。
| 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|
| 1920×1080 高品質 (デスクトップPC) | 3983 | 設定変更が必要 |
| 1920×1080 標準品質 (デスクトップPC) | 5799 | 普通 |
XeSS 3のマルチフレーム生成機能(MFG)をチェック
Core Ultraシリーズ3のGPUは「Xe3」アーキテクチャを採用し、12基のXeコアをもつ「12Xe」を搭載したIntel Arc B390/B370と、4基のXeコアをもつ「4Xe」を搭載したIntel Graphicsが用意されていますが、今回レビューしたCore Ultra 7 356Hは後者のIntel Graphicsが内蔵されています。
FP/INT ALU(NVIDIAであればCUDAコア)の数はIntel Arc B390/B370が1,536/1,280基なのに対し、Intel Graphicsは512基と、同じCore Ultraシリーズ3でも上位モデルと中・下位モデルとではGPU性能に大きな開きがあります。
| Intel Arc B390 | Intel Arc B370 | Intel Graphics | |
|---|---|---|---|
| 設 計 | Xe3 (12Xe) | Xe3 (12Xe) | Xe3 (4Xe) |
| Xeコア数 | 12コア | 10コア | 4コア |
| FP/INT ALU数 | 1,536 | 1,280 | 512 |
また、NVIDIAのDLSSやAMDのFSRに相当する超解像技術「XeSS(Xe Super Sampling)」は第3世代の「XeSS 3」が搭載され、「XeSS 3」ではAIを活用して中間フレームを生成し挟み込むことでフレームレートを引き上げる機能「XeSS MFG(Multi-Frame Generation)」が新たに利用可能となっており、2倍・4倍のフレーム生成に対応しています。なお、この「XeSS MFG」はIntel Graphicsでも利用可能で、「XeSS MFG」を有効化することでゲームプレイ時のフレームレートを引き上げて、滑らかな表示でゲームを遊ぶことが可能です。
「XeSS MFG」はゲーム側がXeSSのフレーム生成に対応している必要があり、ゲーム側がXeSSのフレーム生成(シングル生成、2倍)には対応しているものの、MFGには対応していない場合には「インテル・グラフィック・コマンド・センター」アプリでドライバレベルでMFGの設定を強制することが可能。「インテル・グラフィック・コマンド・センター」アプリでは、アプリ側の設定を優先するか、2倍・3倍・4倍を選択可能です。

実際に「XeSS MFG」の効果をテストしてみました。テストは発売から5年以上経過した今でもグラフィックス処理負荷の高いゲームの例に挙げられることの多い「サイバーパンク2077」で行いました。

解像度はFHD(1920×1080/ウインドウ)、テクスチャの質は「中」、XeSSのスーパーサンプリング(超解像機能)有効、レイトレーシング有効といった設定で実施。テスト内容はXeSS MFGオフ、XeSS MFG 2倍(ドライバ強制)、XeSS MFG 4倍(ドライバ強制)の3つで、内蔵されているベンチマークテストでの平均FPSを比較してみました。

結果は上記グラフの通りで、XeSS MFGオフの場合は20.88FPSとゲームをプレイするのは難しい数値で、2倍の場合は35.13FPSと68%向上、4倍の場合は55.37FPSへと165%向上しました。単純に2倍・4倍となる訳ではないのですが、フレームレートが向上することを実感出来ました。
Intel Graphicsの場合は4倍でも「サイバーパンク2077」を快適にプレイするにはギリギリな状態ですが、同じ設定でレイトレーシングの”レイトレースローカルシャドウ”をオフにするだけで80FPSを超えることを確認済み。上述した各種ベンチマークテストではゲーム性能は散々な結果でしたが、「XeSS MFG」対応タイトルであればAAAタイトルでもFHD解像度である程度プレイ可能です。

RAMのデュアルチャネル化を推奨
「Minisfourm M2」は32GB DDR5-5600 SODIMMを搭載しており、普段使いやゲーム用途では容量としては十分ですが、32GB×1枚のシングルチャネルとなっているのが残念なところ。CPU内蔵GPUの性能はデュアルチャネル構成にすることでパフォーマンスが向上するのですが、実際に手元にあった同じDDR5-5600 SODIMMの16GB×2枚を使ってパフォーマンスの差がどの程度出るのかを調べてみました。
結果は下記グラフの通りで、グラフィックやゲーム性能を測定するベンチマークだけでなく、事務作業等の一般的な作業を行う「PCMark10」のEssentialsやProductivityのスコアも大きく向上し、AMD Ryzen AI 9 HX 370を搭載したモデルにもスコアが肉薄したり、上回る項目も出る結果に。




この結果からゲームだけでなく、全般的に基本性能を上げたい場合もデュアルチャネル仕様にすることをオススメします。
SSDの性能は??(CrystalDiskMark 9)
「CrystalDiskMark 9」はストレージのデータ転送速度を測定できる定番ベンチマークソフトで、キューやスレッドの数を指定したシーケンシャルリード&ライト、ランダムリード&ライトの計測が可能。
搭載されているSSDの性能の公称値はシーケンシャルリードが最大6,100MB/s、シーケンシャルライトが5,300MB/sですが、測定結果はシーケンシャルリードが約6,100MB/s、シーケンシャルライトが約5,250MB/sといった結果で、メーカーの公称値通りの性能が確認出来た形。

ローカルLLMも実行可能
本製品のAI処理性能は、GPUが最大40TOPS、NPUが最大50TOPSで、システム全体では最大90TOPSとなっています。これによりCopilot+ PC対応の他、クラウドに依存せず、ローカルでLLM(論理線形モデル)を実行可能。
メーカーの公称値では、64GB(32GB×2)RAMを搭載した環境の場合で、Aiモデル「Gemma-4-26B-A4B」が22.25トークン/秒、「GPT-OSS 20B」が21.08トークン/秒で動作すると謳われています。
また、Core Ultraシリーズ3ではメインメモリ(RAM)をVRAMとして共有する仕組みになっており、デフォルトの状態ではVRAMはメインメモリ上に最大18GB確保できるようになっています。VRAMに共有する容量は「インテル・グラフィック・コマンド・センター」アプリで変更可能で、32GB RAMを搭載した本製品の場合、デフォルトで18GB、最大で27.5GBまで共有可能でした。

実際に27.5GBのRAMをVRAMとして共有した状態でローカルAIを扱えるツール「LM Studio」を立ち上げてみると、20GBを超えるAIモデルであってもVRAMにオフロード可能と判定されます。

また、AIモデルに「GPT-OSS 20B(12.11GB)」を選択して試したところ12.44トークン/秒で、「Qwen3.5 35B A3B(22.07GB)」だと13.00トークン/秒でした。流石に快適な目安は15〜40トークン/秒とされており、実際、待たされている感じはあったので、少しでも快適に使用したいのであればRAMを増設およびデュアルチャネル化する必要がありそうです。
なお、今回テストした「LM Studio」はGPUもしくはCPUを使用する仕組みで、NPUでのLLM計算に対応していません。NPUを使う機会はまだまだ限られているといった感じですが、NPU対応ソフトもCopilot+ PCの登場から約2年が経過した今は徐々にではあるものの増えつつあり、今後もNPUが必要なCopilot+ PCの独自機能はどんどん増えていくものと予想される為、NPUが搭載されていることに越したことはないと思います。
まとめ
最新のCore Ultraプロセッサ(シリーズ3)を搭載し、普段使いでは高性能過ぎるスペックで、やろうと思えばローカルLLMの実行やAAAタイトルのゲームプレイなども可能なので、現時点ではミニPCのミッドレンジ〜ハイエンドの中間くらいのモデルとしては選択肢の1つに入れても良いと思う製品となっています。RAMがデュアルチャネル構成でないのが残念なので、出来れば最低でもRAMをデュアルチャネル構成にすることをオススメします。
ただ、昨今のメモリ・ストレージの価格高騰の影響でミニPCの本体価格も全体的に上振れしていて、本製品もその影響を大きく受けており、価格は記事投稿時点で187,199円(税込)となっています。他社も同等スペックであれば同じような価格帯なので、現状では致し方ないですが、1〜2年前であればRAMやストレージを最大容量にしたハイエンドミニPCを余裕で変えた価格なので、ミニPCだとちょっと躊躇してしまう価格が悩みの種でしょうか。
なお、発熱に関しては、ベンチマークソフトやAAAタイトルのような重たいゲームをプレイした際のCPU温度は91度くらいまで上昇し、サーマルスロットリングも発生しており、ミニPCではAMD製CPUよりIntel製CPUを搭載したモデルの方がサーマルスロットリングが発生し易い傾向で、本製品でもそこは変わりないようです。
また、動作音はベンチマークソフトなどの重たい作業をしない限りは動作しているのかどうか分からないレベル。重たい作業をした場合でも気になる程ではないので、問題ないレベルだと思います。
なお、手持ちのパーツで安く抑えたいユーザー向けには、OSやRAM・SSD無しのベアボーンキットが99,999円で6月10日に出荷開始予定となっています。

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