【レビュー】激安&超小型のIntel N150搭載ミニPC『NiPoGi E2』

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【レビュー】激安&超小型のIntel N150搭載ミニPC『NiPoGi E2』

以前にAmazonで高評価の格安16インチノートPC「AX16 Pro」をレビューしたことがあるACEMAGICのサブブランドであるNiPoGiの格安ミニPC「NiPoGi E2」を提供頂いたので紹介します。

ACEMAGIC、NiPoGiともに中国の格安PCメーカーで、「NiPoGi E2」は10cm四方という手の平サイズの筐体にTwin LakeことIntel Processor N150を搭載したミニPC。プロセッサの性能は低いものの、セール時には15,000円を切る価格で購入出来ることもある格安モデルとなっています。

ラインナップは8GB RAM + 256GB SSDモデルと16GB RAM + 512GB SSDモデルの2モデルが用意されており、今回レビューするのは8GB RAM + 256GB SSDモデル。

目次

スペック

まず、「NiPoGi E2」の主なスペックをまとめると下記の通り。

CPUIntel Processor N150
最大3.6GHz/4コア4スレッド
RAMDDR4 SO-DIMM 8GB
(最大16GB)
ストレージM.2 2280 SATA SSD 256GB
(最大2TBのM.2 2280 NVMe PCIe3.0 SSDに対応)
インターフェイス
(前面)
USB-A (USB3.2)×2
3.5㎜イヤホンジャック×1
インターフェイス
(背面)
1Gbpsイーサネットポート×1
HDMI2.0×1
DP1.4×1
USB-A (USB2.0)×2
無線Wi-Fi 6 / Bluetooth 4.2
OSWindows 11 Pro
本体サイズ100×100×36㎜

搭載されている「Intel N150」はコストパフォーマンスの高さから好評だった「Intel N100 (AlderLake-N)」の後継モデルで、4コア/4スレッドのEfficiencyコア(高効率コア/Eコア)のみで構成された省電力性に優れるノートPC向けCPU。「Intel N100」からCPUの最大動作周波数が0.2GHz向上し3.6GHzとなった他、内蔵GPUの最大動作周波数も750MHzから1GHzに向上しています。

「Intel N100」からパワーアップしたといってもPCゲームや動画編集など負荷の高い作業には向いておらず、動画/音楽配信サイトの視聴や書類作成などの軽作業向けのCPUとなります。

【レビュー】激安&超小型のIntel N150搭載ミニPC『NiPoGi E2』
▲システム情報をHWiNFO64で表示したところ

メモリは8GB、ストレージは256GBのM.2 2280 SATA SSDを搭載しており、M.2タイプのSSDといっても現在主流のNVMe SSDではなくSATA SSDとなっていることから、最高転送速度は 6Gbps止まりで、NVMe SSDに比べると劣ります。OSはWindows 11 Proが搭載されています。

ミニPCで良く問題になるOSのライセンスに関しては、Amazonのレビュー欄では同社のミニPCはボリュームライセンスのものが多く、サポートでOEMライセンスのコードを貰う必要があることが多々報告されていたので気になっていましたが、レビュー用に使用したサンプルはOEMライセンスで問題ありませんでした。

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インターフェイスは前面にUSB-A (USB3.2)を2つと3.5㎜イヤホンジャックを備え、背面には1Gbpsイーサネット、4K/60Hz出力対応のHDMI2.0とDP1.4、USB-A (USB2.0)を2つ搭載しています。

Wi-Fi 6とBluetooth 4.2にも対応し、本体サイズは実測で100×100×36㎜、重さは約280g。

同梱品や外観デザイン

全体的なデザインはシルバーを基調としたカラーに排気口を兼ねたゴールドの装飾があしらわれており、好みの分かれるデザインかもしれません。筐体は全て樹脂製ですが、シルバーとゴールドのカラーリングの為、そこまでチープ感はありません。

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10cm四方というサイズも特徴の1つで、男性であれば片手で軽く鷲づかみ出来るほどの大きさ。重さも驚くほど軽いです。

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▲iPhone 16 Proとの大きさ比較

同梱品はユーザーマニュアル、HDMIケービル、電源アダプタ、VESAマウントアダプタといった構成。電源アダプタが小型なので簡素に見えますが、ミニPCは大体こんな感じ。

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電源アダプタはCPUのベースパワーが6Wということもあって、ミニPCの中でもより小型のものが同梱されており、出力は30W。電源アダプタ自体の重さはケーブル込みで約120g。

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前面は電源ボタン、USB-A (USB3.2) が2つ、3.5㎜イヤホンジャックを搭載。

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背面には1Gbpsイーサネット、HDMI2.0、DP1.4、USB-A (USB2.0) が2つ、電源入力といった必要最低限といった構成。上部には天板を開封する為のロックスイッチが搭載されています。

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本体の左右側面は排気のための穴が開けられているのみ。

底面は吸気口のみで、四隅に大きめのゴム足が取り付けられており、安定感はあります。ミニPCは底面のネジを外して内部にアクセスする設計が多いですが、「NiPoGi E2」は底面からはアクセス出来ない仕組み。

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「NiPoGi E2」の内部にアクセスするには、背面に用意されたロックスイッチをスライドさせるだけで天板が外れる仕組み。ネジは一切なく、工具不要で内部にアクセス出来るのは楽。

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天板を外したところが下記画像。「NiPoGi E2」はRAMとSSDのみ簡単にアクセス出来る設計となっており、換装が超簡単。

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搭載されている8GB DDR4 SO-DIMM RAMは”KINSOTIN 金士漿”というあまり聞いたことがないメーカーのものが搭載されており、SSDも”Rayson”というメーカーのM.2 2280 SATA SSDが搭載されています。RAMは最大16GBのものに換装可能で、SSDは最大2TBのM.2 2280 NVMe PCIe3.0 SSDまで対応しています。

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各種ベンチマーク

実機で測定した各種ベンチマークソフトウェアの結果を紹介します。流石に最新チップを搭載したモデルとは比較しても大差があるのは目に見えているので、過去にレビューした「Intel N100 」搭載ミニPCとの比較を紹介します。

PC Mark 10

「PC Mark 10」はPCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトで、日常的なPCでの作業やデジタルコンテンツを操作するときの性能に焦点を当てたテスト。

有料版の「PCMark 10 Advanced Edition」では、「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」「Gaming」の4つのテストグループのベンチマークを測定でき、各テストのスコアと総合スコアで性能を表します。各テストグループの詳細は下記の通り。

  • Essentials
    • PCの基本性能を測るテストグループで、アプリの起動速度を測る「App Start-up」、Webブラウジングに関連する処理性能を測る「Web Browsing」、複数の参加者によるビデオ会議を想定し、処理に関連する性能を測る「Video Conferencing」という合計3つのワークロードを実行。
  • Productivity
    • Office Suiteのようなビジネスアプリの処理性能を測るテストグループで、ワープロソフトの性能を測る「Writing」と、表計算ソフトの性能を測る「Spreadsheets」という2つのワークロードを実行。
  • Digital Content Creation
    • コンテンツ制作作業を想定したテストグループで、写真編集に関する性能を計測する「Photo Editing」、動画編集の性能を計測する「Video Editing」、3Dグラフィックスの表示とレイトレーシングによるレンダリングの性能を調べる「Rendering and Visualization」という3つのワークロードを実行。
  • Gaming
    • ゲームの実行に関わる性能を測るテストグループで、Futuremark製の3Dグラフィックスベンチマークソフト「3DMark」をPCMark 10向けにカスタマイズしたものが入っており,「Fire Strike」プリセットを実行。

スコアの目安としては、簡単な作業を行うための一般的なPCの場合は「Essentials」のスコアが4,100点以上、一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作を行うPCの場合は「Productivity」のスコアが4,500点以上、写真、動画、その他のデジタルコンテンツ編集を行うPCの場合は「Digital Content Creation」のスコアが3,450点以上が推奨されており、「NiPoGi E2」は簡単な作業や事務作業等は問題ないものの、写真や動画の編集には向いていないといった結果に。

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CINEBENCH R23

「CINEBENCH R23」はCGレンダリング速度からCPU性能を測定するベンチマークで、CGレンダリングはマルチスレッド処理向きの作業であることからコア/スレッド数が多ければ多いほど性能が高くなる他、動作周波数に比例して性能が上がる傾向もあり、CPUの最大性能を比較するのに最適なベンチマーク。

結果は「Intel N100」からの最大動作周波数の向上がスコアにも表れた形で、順当に性能が向上していることが分かります。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)851
CPU (マルチコア)2736
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※「CINEBENCH」の最新バージョンである「CINEBENCH 2024」については、GPUのメモリ不足のエラーが出て計測出来ず。

GeekBench 6

「GeekBench 6」はCPU性能をメインで測定するベンチマークソフトで、シングルコアとマルチコアのスコアの他、GPU性能を測定するベンチマークとして「OpenCL」のスコアも測定可能。

結果はシングルコア性能は「Intel N100」を搭載した「GEEKOM Air12 Lite」と変わりなかったものの、マルチコア性能やGPU性能は大きく上回る結果に。

テスト項目スコア
CPU (シングルコア)1167
CPU (マルチコア)2814
GPU (OpenCL)4229
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なお、GeekBenchのベンチマークはプロセッサごとのランキングが公開されており、他のプロセッサとのスコアの差など、ランキングの詳細はこちらをご覧下さい。また、OpenCLのスコアのランキングはこちら

3D Mark

「3DMark」はハイエンドPCからタブレットPCまで利用できる定番3Dベンチマークソフト。DirectX 12を利用したベンチマークなどが用意されており、各テストの測定内容とスコアは下記の通りで、「Intel N100」搭載モデルと同じく「Steel Nomad」のみエラーが出て測定出来ませんでした。

  • Time Spy:ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマーク
  • Night Raid:「Time Spy」よりも軽量化されたテスト、CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイス向けのDirectX 12ベンチマーク
  • Fire Strike:ゲーミングPC向けのDirectX 11ベンチマーク
  • Steel Nomad:「Time Spy」に代わるベンチマークで、非レイトレーシングゲームの性能を測定するための推奨ベンチマーク
  • Steel Nomad Light:CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイスの性能を測定するための推奨ベンチマーク
スコア
Time Spy434
Night Raid4931
Fire Strike1255
Steel Nomad
Steel Nomad Light292

GPU性能は高くないのですが、「Intel N100」搭載モデルに比べると10〜20%ほどスコアが向上しており、内蔵GPUの最大動作周波数の向上がスコアに表れています。

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各種ゲームのベンチマーク

これまでのベンチマーク結果からも分かる通り、「NiPoGi E2」に搭載されている「Intel N150」はゲームには向いていない非力なプロセッサとなっており、試しに「FINAL FANTASY XV」や「ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー」といったゲームのベンチマークテストを動かしてみましたが、最低画質の設定にした場合でも軒並み“動作困難”“設定変更を推奨”といった評価結果に。製品の設計やコンセプト、ターゲット層がゲーム用途ではない為、想定内ですが、プレイが難しいことを改めて確認した形。

【レビュー】激安&超小型のIntel N150搭載ミニPC『NiPoGi E2』
▲比較的軽いゲームのDQXですらHD解像度でようやく”普通”といった評価に

CrystalDiskMark 8.0.5

「CrystalDiskMark 8」はストレージのデータ転送速度を測定できる定番ベンチマークソフトで、キューやスレッドの数を指定したシーケンシャルリード&ライト、ランダムリード&ライトの計測が可能。

上述した通り、搭載されている256GB SSDはSATA 3.0接続なので、転送速度の理論値(約600MB/s)通りといった結果に。NVMe SSDに比べると大きく見劣りする数値となっていますが、Windowsのファイルエクスプローラーや設定アプリといった各種動作は詰まることもなく快適で、Officeのような事務作業も特にストレスを感じるような場面はありませんでした。ファイルサイズの大きいファイルなどを扱わない限りはあまり気にしなくても良いのかもしれませんが、もし気になる場合はNVMe SSDに換装されることをオススメします。

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まとめ

流石に最近のプロセッサには及ばないものの、プロセッサ自体は一昔前の第10世代Core i5程度の性能が出るため、事務処理、ネット関連程度ならそこそここなすことが可能です。

何よりも消費電力の低さによる静音性とその大きさが特徴で、静音性に関してはアイドル時は基本気付かないレベルで、重たいベンチマークを動かさない限りはほぼ無音といって良いほど。

小さくて軽い筐体も設置場所に困ることがなく、小さいからといって排熱もきちんと設計されており、重たい3Dゲームのベンチマークテストを行った場合でもCPUのコアおよびパッケージ温度は84度を上回ることはなく、サーマルスロットリングも発生しませんでした。

価格は8GB+256GBモデルが通常26,998円、16GB+512GBモデルが通常39,998円となっていますが、本日まででまもなく終了する「Amazon プライムデー」では、8GB+256GBモデルが33%オフ&クーポン利用で14,758円、16GB+512GBモデルも35%オフ&クーポン利用で22,098円で販売されているので、セールなどを利用するとかなり安価に購入可能です。

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