【レビュー】『GEEKOM A5 2027エディション』ー 静音性に優れ、長時間の安定動作を実現するミニPC

GEEKOMが先月に発売したミニPC「A5」の最新モデル「A5 2027 エディション」を紹介します。
「A5 2027 エディション」は手のひらサイズの小型筐体にAMD Ryzen 7 7730Uを搭載した日本限定のミニPCで、一時的なピーク性能ではなく、持続するパフォーマンスに重点を置いて設計されているのが特徴で、文書作成、マルチタスク、動画視聴などの日常的な作業を快適にこなすことが可能。
今回紹介するのはストレージ容量が512GBのモデルですが、他に256GBモデルも用意されており、256GBモデルが76,990円、512GBモデルが87,990円となっています。
詳細は以下から。
GEEKOM A5 2027 エディションの仕様
まず、今回紹介する「GEEKOM A5 2027 エディション」のスペックをまとめると下記の通り。
| 本体サイズ | 117 x 112 x 49 mm |
| CPU | AMD Ryzen 7 7730U |
| GPU | AMD Radeon グラフィックス |
| RAM | 16GB DDR4 SO-DIMM (合計最大64GB) |
| ストレージ | M.2 2280 PCIe Gen4x4 256GB/512GB (最大4TB) M.2 2242 SATAIII スロット×1 (最大1TB) 2.5“ SATA スロット×1 (最大2TB) |
| ポート (後部) | USB 3.2 Gen2 Type-C×2 (10Gbps/Alt DP1.4/PD15W出力対応) USB 3.2 Gen 2 Type-A×1 USB 2.0 Type-A×1 2.5Gbps LANポート×1 HDMI 2.0×2 |
| ポート (側面) | SDカードスロット×1 |
| ポート (前面) | USB 3.2 Gen 2 Type-A×2 3.5mm ヘッドセットジャック×1 電源ボタン |
| イーサネット | Intel 10/100/1000/2500 Mbps |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
| OS | Windows 11 Pro |
「A5 2027 エディション」は前モデルの「A5 2026 エディション」から搭載CPUがRyzen 5 7430UからRyzen 7 7730Uへアップグレードされています。Ryzen 7 7730Uは8コア/16スレッドを備えたノートパソコンや小型PC向けの省電力プロセッサで、CPUアーキテクチャはZen 3で、動作クロックは最大4.5GHz、内蔵グラフィックスはAMD Radeon Graphics、最大消費電力は20Wと消費電力が少ないのも特徴。

Ryzen 7 7730Uは少し古い世代のCPUであることもあり、対応するメモリの規格は最新のDDR5ではなくDDR4で、評価機には16GBのDDR4-3200 SO-DIMMが8GB×2枚のデュアル構成で搭載されており、両スロット合計で最大64GBまで拡張可能。ストレージは512GBのM.2 2280 PCIe 4.0 SSDを搭載しています。また他にもM.2 2242 SATAIIIスロット(最大1TB)と2.5インチ SATA スロット(最大2TB)が1つずつ搭載されており、SATA規格にはなりますが、様々なストレージを増設可能です。
インターフェースの詳細は下記の外観チェックのところで後述しますが、HDMI 2.0×2とDisplayPort Alternate Mode対応USB 3.2 Gen 2 Type-C×2で、最大4画面の同時出力と最大8K解像度に対応しています。
無線関係はWi-Fi6とBluetooth 5.4に対応し、OSは「Windows 11 Pro」がプリインストールされており、「Windows 11 Pro」のライセンス形態は「リテール」となっていました。

外観デザインや内部設計など

本体サイズは117 x 112 x 49 mmでミニPCの中では小型な部類に入るので、デスクをスッキリさせたい人には最適。また、本体カラーはミニPCとしては珍しいローズゴールドで、フルメタル筐体に加え、天板のエッジ部分には光沢のある装飾を取り入れるなど、高級感がある他、手に持った時には見た目以上にズッシリくる重量感もあり、安定性のある設計となっています。

同梱品は左上から時計回りに、説明書類、HDMIケーブル、ACアダプタ、電源ケーブル、VESAマウントアダプタといった構成。

ACアダプタは過去のモデルにも採用されていたことのあるBSY製の65W出力のもの。大きさは107.6×46.3×30.9㎜で、重さは電源ケーブル込みで実測値350g。


前面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-Aが2つと3.5mm ヘッドセットジャックのみのシンプルな構成。ちなみに、片方のUSB-AポートはPCの電源が切れていてもスマホ等を充電できるS5給電に対応しているので便利。

本体側面にはGEEKOM製ミニPCの特徴でもあるSDカードスロットが搭載されており、SDカードスロットの搭載は他社製品ではごく一部のモデルのみとなっているので、カメラなどを良く使うユーザーにとっては嬉しいところ。


背面のインターフェースは、10Gbps/Alt DP1.4/PD15W出力に対応したUSB 3.2 Gen2 Type-Cが2つ、USB 3.2 Gen 2 Type-A、USB 2.0 Type-A、2.5Gbps LANポートに加え、HDMI 2.0が2つ搭載されています。

同社の最近のモデルでは底蓋のネジがゴム足と一体化した構造が採用されており、本機もその新構造が採用されています。底蓋を開封するの両面テープで貼られていることが多いゴム足を外す必要がなく、両面テープをダメにしてしまうリスクを回避可能な他、ネジ自体も緩めても外れない仕組みなので、ネジを無くしてしまう心配もありません。数々のミニPCを開封してきた筆者としてもこの機構は良い改良だと思う。


内部設計はこんな感じ。開封時は底蓋側にある2.5インチSATAスロット用のケーブルが基板に繋がっているので、切断に注意。

RAMはLexarというメーカーの8GB DDR4-3200メモリが2枚搭載されており、SSDはKingstonの「OM8TAP4512K1-A00」という型番のGen 4 PCIe NVMe SSD 512GBが搭載されています。SSDの性能の公称値は、シーケンシャルリードが5,900MB/s、シーケンシャルライトが3,700MB/sとなっています。


GEEKOM A5 2027エディションの特徴

生産性は、PCがどれだけの期間、確実に動作し続けるかという点にも左右されますが、本機は冒頭でも少し触れた通り、一時的なピーク性能ではなく、持続するパフォーマンスに重点を置いて設計されているのが特徴。
まずボディは一体型のフルメタル内部フレームにより最大300kgの垂直荷重に耐えられる堅牢性を実現している他、温度、静電気放電、落下、加圧、72時間の高負荷連続稼働を含む339項目の信頼性テストをクリアし、24時間365日の連続稼働に対応し、オフィスや受付カウンター、物流・倉庫管理、デジタルサイネージ、業務用端末などでの使用を支えてくれます。
また、冷却システムには、内部温度や各パーツの稼働状況に応じて冷却を制御する「IceBlast 3.0」を採用しており、大型冷却ファンとフルメタル内部フレームを組み合わせ、従来世代比で冷却効率を約42%、風量を最大35%向上させたとされており、動作音もアイドル時でわずか28dB、高負荷時でも約32dBを謳っています。
実際にベンチマークテスト等を行った場合でもサーマルスロットリング(熱による性能抑制)を起こすことは1度もなく、冷却ファンの動作音は流石に重たい作業をするとサーッという音が聞こえるものの、オフィス作業では気にならないレベルで、アイドル状態ではほぼ無音。ミニPCは小型で内部スペースが限られているという構造上、ベンチマークテストを行うとどうしてもサーマルスロットリングが発生するモデルが多いのですが、安定動作を謳うだけあって、安心して利用出来そうです。
これまでに多数のミニPCをレビューしてきた中で、同社のミニPCはどちらかというと熱管理に弱く、動作音も大きい印象がありましたが、本製品はこれまでで一番安定したモデルといっても良いくらい完成度が高くなっている印象です。
なお、下記画像は、複数のベンチマークソフトなどを数時間稼働させた後の「HWiNFO」のスクリーンショットで、CPU温度は90度以上になることはなく、サーマルスロットリングを発生していないことを示しています。

さらに、本機に搭載されているAMD Ryzen 7 7730UのTDPは20Wと低消費電力なのも特徴で、実際に測定してみましたが、アイドル時は3〜6Wあたりで安定しており、各種作業を行うと15〜20Wほどで推移する形。リモート機能やデジタルサイネージなどの長時間運用を行う場合などにこの省電力性能は有り難い。
ベンチマークデータ
性能を重視するモデルではないですが、参考までにPCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測るベンチマークである「PC Mark 10」で測定してみました。
PCの基本性能を測るテスト「Essentials」は8411、ビジネスアプリの処理性能を測るテスト「Productivity」は14472、コンテンツ制作作業を想定したテスト「Digital Content Creation」は5404といった結果で、オフィス作業やブラウザ・動画視聴等は快適に行うことができる性能で、クリエイティブ系の作業はRAW現像等では少し重たく感じるものの、軽い作業であれば十分こなせる性能となっています。
唯一、GPU「AMD Radeon Graphics(Vega 8)」の性能からゲーム性能だけは期待してはいけないレベルで、軽めのゲームでもフルHD画質でやっとといった状況。そもそも本機はゲームを目的としたユーザー層をターゲットとしていない為、あまり気にするほどでないと思いますが。

次は、ストレージのデータ転送速度を測定できる定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 9」を使って搭載SSDの性能を測定した結果は下記の通りで、シーケンシャルリードが公称値よりちょっと劣る結果となっている他、最新のGen 4 PCIe NVMe SSDに比べても速度は劣りますが、本機の使用用途である文書作成、マルチタスク、動画視聴、クラウドAIの利用などの日常的な作業であれば十分な速度。

まとめ
「GEEKOM A5 2027エディション」は、ブラウザやオフィスソフト、クラウドAIサービスを使う日常業務に十分な性能を備えつつ、消費電力や発熱、動作音を抑え、長時間の安定動作が可能なミニPCとなっています。
世代が古いCPUを採用していることからUSB4などの最新規格には対応していませんが、PC価格の高騰が続く時代だからこそ、完成度や安定性が高く、少しでも長く使えるメーカーを選んだほうが長期的に見るとお得かもしれません。ちなみに、GEEKOM製ミニPCには3年保証が付属しています。
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