【レビュー】Core Ultra 9 185H搭載で11万円以下のミニPC「GEEKOM IT13 Max」をチェック

GEEKOMの最新ミニPC「GEEKOM IT13 Max」を提供頂いたので紹介します。
「GEEKOM IT13 Max」は0.9LのサイズのボディにIntel Core Ultra 9 185Hを搭載した高性能ミニPC。Core Ultra 9 185Hは2世代前のCPUですが、モバイル向けのハイエンドCPUなのでまだまだ十分使える性能で、あらゆるタスクをこなすことが可能です。
また、公式ストアでの通常価格は129,900円ですが、記事投稿時点では1万円オフの119,900円で販売されており、Core Ultra 9 185H搭載モデルが12万円を切る価格で購入できるのは性能を考えるとコストパフォーマンスも優れているといって良いと思います。
実際に「GEEKOM IT13 Max」の仕様や性能を確認した結果が下記の通り。
スペック
まず、「GEEKOM IT13 Max」のスペックをまとめると下記の通り。
| CPU | Intel Core Ultra 9 185H 最大5.1GHz 16コア/22スレッド |
| GPU | Intel Arc Graphics 8コア 2.35GHz |
| NPU | Intel AI Boost (最大11TOPS) |
| RAM | LPDDR5 24GB (オンボード) |
| ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 SSD 500GB (最大2TB) M.2 2242 スロット×1 (空き/最大1TB) |
| インターフェイス (前面) | USB 3.2 Gen 2 Type-A×4 3.5mm ステレオヘッドセットジャック |
| インターフェイス (側面) | SDカードスロット4.0 |
| インターフェイス (背面) | USB4.0×2(1つは電源入力対応) RJ45 LANポート (2.5 Gbps)×2 HDMI 2.0×2 USB 3.2 Gen 2 Type-A×1 USB 2.0 Type-A×1 |
| 無線 | Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 |
| OS | Windows 11 Pro |
| 本体サイズ | 136 × 132 × 50.1mm |
「GEEKOM IT13 Max」に搭載されている「Core Ultra 9 185H」は第14世代Core Ultraシリーズ(Meteor Lake)の中でもベース電力が45Wで高性能ノートPC向けの「H」シリーズの最上位モデルで、「Core i」シリーズに比べ、高性能コア(Performance-Cores、Pコア)、高効率コア(Efficient-Cores、Eコア)に加え、低消費電力高効率コア(Low-Power Efficient-Cores、LPEコア)が新たに搭載されており、低負荷時により消費電力が低いLPEコアだけを動作させることで、「Core i」シリーズよりも電力効率が向上しているのが特徴。

内蔵GPUは「Intel Arc graphics」が搭載され、グラフィック性能が前世代よりも大幅に向上している他、IntelのプロセッサとしてAI処理専用のNPU(Neural network Processing Unit)である「Intel AI Boost」が初めて搭載されたシリーズでもあります。
「Intel AI Boost」は最大1.4GHzで動作し、最大11TOPSのAI処理性能となっており、CPUとGPUを合わせたシステム全体でのAI処理性能は最大35TOPSとなっています。Microsoftが提唱するCopilot+ PCの要件は40TOPS以上なので、Copilot+ PCには未対応。
メモリは省電力でモバイル向けのLPDDR5メモリが採用されており、オンボード直付けで容量は24GBとなっています。メモリ高騰の影響か、最近になってミニPCメーカーがモバイル向けのLPDDR5メモリを続々と採用している印象で、DDR5メモリと違って換装や増設は出来ませんが、省電力性能以外に、限られた空間における熱管理やオンボードによる接続の安定性といったメリットもあり、「GEEKOM IT13 Max」にはHWiNFOのデータを見る限り、LPDDR5-5600(2800MHz)規格のものが採用されています。

また、AI処理専用のNPU「Intel AI Boost」も搭載しています。IntelのプロセッサとしてNPUを搭載したのはこの世代からで、「Intel AI Boost」は最大1.4GHzで動作し、最大11TOPSの処理性能を誇ります。CPUとGPUを合わせたシステム全体では最大35TOPSとなりますが、NPU単体では処理性能が低く、実際にローカルLLM(大規模言語モデル)を実行するとなると超軽量モデルでなければ実用性のある速度では動作しない為、正直厳しく、あくまでオマケと考えておいた良いと思います。

次に、搭載されているSSDの情報を「CrystalDiskInfo」で表示したものが下記画像。Kingstonの「SNV3S/500GCN」という型番のPCIe 4.0 x4 NVMe SSDの500GBモデルが搭載されており、メーカー公称値は最大速度はシーケンシャル読み込みが5,000MB/s、シーケンシャル書き込み3,000MB/sとなっています。これまでであれば1TBくらいの容量が搭載されていましたが、昨今の半導体の高騰で容量を削減してコストを抑えた形。実際の速度は後述するベンチマーク結果をご覧下さい。

OSには「Windows 11 Pro」が搭載されており、「Windows 11 Pro」のライセンス形態は「RETAIL」となっていることを確認済み。無線関係はWi-Fi7とBluetooth 5.4に対応し、最新のWi-Fi7に対応しているので、今後も安心して利用出来ます。

同梱品や外観デザイン
外観デザインはブラックを基調としたカラーリングと金属製の筐体が特徴。本体サイズは136×132×50.1mmで、標準的なミニPCよりも一回り大きく、一般的なミニPCの重さは400〜500gなのに対し、本機は実測値で830gとなっており、実際に手で持ってもズッシリくる感じで、他のモデルに比べると重厚感のある造りが特徴。

ミニPCの中では大きい部類ですが、それでもディスプレイと並べると小型であることに変わりはなく、デスクトップの省スペース化も可能です。また、VESAマウントを利用することで対応するディスプレイの背面にも取り付け可能で、更なる省スペース化も可能。


同梱品は左から時計回りに、ACアダプタ、電源ケーブル、HDMIケーブル、冊子類、各種ネジ類とVESAマウント用アダプタとなっています。

ACアダプタは同社のミニPCではお馴染みのShenzhen Hyleton Technology(深圳市海龙通科技)製の120W出力のもの。サイズは約97×63×22㎜で、重さはACアダプタのみで約257g、電源ケーブル込みで約382g。


本機の特徴の1つとして、背面にあるUSB4ポートの1つが電源入力にも対応しており、手持ちの100W以上のUSB充電器でも駆動可能なので、ACアダプタ不要のスッキリした配線を実現可能。筆者の環境でも100W出力のUSB充電器で試したところ問題なく動作することを確認済みです。

前面のインターフェースはUSB 3.2 Gen 2 Type-Aが4つと3.5mm ステレオヘッドセットジャックが搭載されており、一番左のUSB-Aポートは「Always on USB」に対応しているので、本機の電源がオフの状態でも充電やデータ転送が可能。USBポートは背面も合わせると計8つ搭載されているので、USBの拡張性では困らないと思います。

側面は、右側面にケンジントンロックが、左側面にSDカードスロットが搭載されています。SDカードスロットを搭載するミニPCは少なく(GEEKOMのミニPCは基本搭載)、カメラを利用するユーザーにとってはあれば有り難いので、嬉しいところ。ちなみにSDカードスロットはSD4.0カードに対応していると案内されています。


背面はUSB4、2.5ギガビットLANポート、HDMI 2.0がそれぞれ2つずつ搭載されている他、USB 3.2 Gen 2 Type-Aと
USB 2.0 Type-Aを1つずつ搭載しています。USB4ポートは上述した通り、1つはUSB PDの電源入力に対応し、2つともDP Alt Modeに対応しているので、ディスプレイへの出力も可能。HDMIポートと併用することで最大4画面に4K出力が可能です。

ミニPCは内部にアクセスする場合にほとんどのモデルで両面テープで接着されているゴム足を外し、現れるネジを外して開封するといった仕組みが採用されていますが、本機はゴム足と底蓋を固定するネジが一体化した構造を採用しており、ゴム足を外す必要がないので、誤って両面テープが剥がれてしまうなどの問題を回避出来るのは良いところです。また、ネジ自体も完全に外れない構造で、ネジをなくしてしまうといった問題も回避出来ます。


開封した内部はこんな感じ。メモリが直付けでCPUなどが搭載されている裏側に配置されている為、メモリスロットを搭載したモデルに比べるとスッキリした設計。

本機はM.2 2280スロット(SSDが装着済み)と空きのM.2 2242スロットが1つ用意されており、M.2 2242サイズのSSDを増設可能。ちなみにM.2 2280スロットは最大2TB、M.2 2242スロットは最大1TBまで増設可能です。

無線カードは「Intel Wi-Fi 7 BE200」を搭載し、Wi-Fi7とBluetooth 5.4に対応。

「GEEKOM IT13 Max」の実機で測定した各種ベンチマークソフトウェアの結果を紹介します。
参考として、最新世代のCore 7 356Hと32GB RAM(DDR5-5600/シングルチャネル)を搭載した「Minisfourm M2」に加え、Core Ultra 9 185Hより1世代新しいCore Ultra 9 285Hと32GB RAM(DDR5-5600)を搭載した「Minisforum M1 Pro」と、逆に2世代前のCore i9-13900HKと32GB RAM(DDR4-3200)を搭載した「GEEKOM GT13 Pro 2025 Edition」と比較してみました。
| モデル名 | CPU | コア/スレッド数/ 最大クロック数 | GPU | RAM |
|---|---|---|---|---|
| GEEKOM IT13 Max | Core Ultra 9 185H | 16コア 22スレッド 最大5.1GHz | Intel Arc Graphics 64 EU | DDR5-5600 24GB |
| Minisfourm M2 | Core Ultra 7 356H | 16コア 16スレッド 最大4.7GHz | Intel Graphics 32 EU | DDR5-5600 32GB ※シングルチャネル |
| Minisforum M1 Pro | Core Ultra 9 285H | 16コア 16スレッド 最大4.9GHz | Intel Arc 140T 64 EU | DDR5-5600 32GB |
| GEEKOM GT13 Pro 2025 Edition | Core i9-13900HK | 14コア 20スレッド 最大5.4GHz | Intel Iris Xe Graphics 96 EU | DDR4-3200 32GB |
PC Mark 10
「PC Mark 10」はPCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトで、日常的なPCでの作業やデジタルコンテンツを操作するときの性能に焦点を当てたテスト。
有料版の「PCMark 10 Advanced Edition」では、「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」「Gaming」の4つのテストグループのベンチマークを測定でき、各テストのスコアと総合スコアで性能を表します。各テストグループの詳細は下記の通り。
- Essentials
- PCの基本性能を測るテストグループで、アプリの起動速度やWebブラウジングに関連する処理性能、複数の参加者によるビデオ会議の処理性能などを測定。
- Productivity
- Office Suiteのようなビジネスアプリの処理性能を測るテストグループで、ワープロソフトや表計算ソフトの処理性能を測定。
- Digital Content Creation
- コンテンツ制作作業を想定したテストグループで、写真編集や動画編集の処理性能に加え、3Dグラフィックスの表示とレイトレーシングによるレンダリングの性能を測定。
- Gaming
- ゲームの実行に関わる性能を測るテストグループ。
「PCMark10」は2025年12月のアップデートでテスト内容が刷新され、それ以前のスコアとは比較出来なくなってしまった為、最新世代のCore 7 356Hを搭載した「Minisfourm M2」とのみの比較となります。
「GEEKOM IT13 Max」の測定結果は、一般的なオフィスワークや画像・動画編集では不満を感じる面がほぼないスコアとなっており、1つ下のクラスのCore 7ではあるものの、最新世代のCPUと同等か上回る結果に。ただ、「Gaming」はCore 7 356H搭載モデルの方がスコアは低いものの、超解像技術やマルチフレーム生成機能を搭載しており、実際にゲームを快適にプレイ出来るのはCore 7 356H搭載モデルとなります。

CINEBENCH R23
「CINEBENCH R23」は、CGレンダリング速度からCPU性能を測定し、CGレンダリングはマルチスレッド処理向きの作業であることからコア/スレッド数が多ければ多いほど性能が高くなる他、動作周波数に比例して性能が上がる傾向もあり、CPUの最大性能を比較するのに最適なベンチマークとなっています。
結果は下記の通りですが、「GEEKOM IT13 Max」のスコアはシングルコアは1814、マルチコアは14598で、世代差がそのままスコアに反映された形。

3D Mark
「3DMark」はハイエンドPCからタブレットPCまで利用できる定番3Dベンチマークソフト。DirectX 12を利用したベンチマークなどが用意されており、今回参考にした各テストの測定内容は下記の通り。レイトレーシングを含むベンチマークも用意されていますが、比較に用いたモデルはスコアが無かった為、今回は外しています。
| テスト | 測定内容 |
|---|---|
| Time Spy | ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマーク |
| Night Raid | 「Time Spy」よりも軽量化されたテスト、CPU統合グラフィックスを備えた軽量デバイス向けのDirectX 12ベンチマーク |
| Fire Strike | ゲーミングPC向けのDirectX 11ベンチマーク |
| Steel Nomad | 「Time Spy」に代わるベンチマークで、非レイトレーシングゲームの性能を測定するための推奨ベンチマーク |
結果は下記の通りで、内蔵GPUとしては標準的なスコアで、フルHD解像度で画質設定を調整することで中量級のゲームまでプレイ可能なレベルとなっています。

実際、「ファイナルファンタジーXV」や「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークでもフルHD解像度であればプレイ可能な結果でした。ただ、レイトレーシングを含むベンチマーク「Speed Way」や「Port Royal」の結果は低く、レイトレーシングを使う最新の重量級タイトルはプレイ不可と考えた方が良さそうで、グラフィックス処理負荷の高いゲームの例に挙げられることの多い「サイバーパンク2077」のベンチマークではフルHD解像度で画質を「低」設定、レイトレーシングをオフにしても平均25FPSと厳しい結果でした。



CrystalDiskMark 9
「CrystalDiskMark 9」はストレージのデータ転送速度を測定できる定番ベンチマークソフトで、キューやスレッドの数を指定したシーケンシャルリード&ライト、ランダムリード&ライトの計測が可能。
搭載されているSSDのメーカー公称値は最大速度はシーケンシャル読み込みが5,000MB/s、シーケンシャル書き込み3,000MB/sとなっていますが、その公称値通りの速度が出ている結果に。最近はPCIe 4.0 x4 NVMe SSDでも読み書き共に6,000〜7,000MB/sというスペックのSSDを搭載したミニPCも出て来ていますが、容量だけでなく、読み書き性能を抑えることでコストダウンを図っているものと予想されます。
ただ、この数字でも普段使いでは十分速いので、実際に使っていて不満に思うことはないと思います。

まとめ

ここまで「GEEKOM IT13 Max」を紹介してきましたが、まず気になった点としては、冷却ファンの動作音があります。本機は独自開発の冷却システム「IceBlast 3.0」を搭載しており、冷却性能が強化されていますが、実際にはこれまでにテストしてきたミニPCの中では高負荷時のファンの動作音は大きい部類に入り、机などに置いて使う場合は気になるかもしれません。
また、Intel製のハイエンドCPUを搭載した全てのミニPCに言えることですが、高負荷時にCPU温度が100度近くまで上昇し、サーマルスロットリングが発生します。本機でも実際にサーマルスロットリングの発生を何度も確認しており、高負荷が続く場面ではCPUの冷却が追いついていない印象で、発熱による性能低下が避けられない状況となっています。
この筐体サイズでIntel製のハイエンドCPUの性能をフルに引き出すのは難しいのかもしれません。

さらに、メモリがオンボードなので将来的に増設したい場合は注意が必要です。
とはいっても日常用途からオフィスワーク、中負荷のクリエイティブ作業までを十分にこなす性能は備えているので、省スペースな高性能マシンを探している人や、多数の画面出力を必要とする人などに向いているモデルだと思います。
また、最近、筆者も久々に自作PCを組み上げましたが、USB4を搭載したマザーボードはまだまだ高価で自作PCではまだ導入に大きな壁があり、メーカー製PCでUSB4を普通に複数搭載している製品の有り難みを感じていたところなので、この価格帯でUSB4ポートを2つも搭載している拡張性は大きな魅力。Oculinkほどではないものの、USB4ポートに外付けGPUを接続してミニPCの弱点でもあるゲーム性能を上げることも可能です。
なお、冒頭で紹介した通り、本機の価格は通常129,900円ですが、1万円オフの119,900円で販売されており、クーポンコード「KNIT13MAX」を利用するとさらに10%オフの107,910円といった超おトクな価格で購入可能です。クーポンはAmazonと公式ストアの両方で利用可能で、利用期限は2026年12月31日までなので、購入する場合は是非どうぞ。


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