米国際貿易委、Insta360がGoProのカメラ特許侵害と仮決定

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米国際貿易委、Insta360がGoProのカメラ特許侵害と仮決定
左がGoPro HERO13、右がInsta360 Ace Pro

本日、米国国際貿易委員会(ITC)の行政法判事が、Insta360がGoProの知的財産権を侵害したとする仮決定(Initial Determination/主席判事による決定)を下しました。

GroProは昨年5月にInsta360が複数の特許を侵害しているとしてITCに提訴していましたが、現地時間7月11日にITCの行政法判事はInsta360がGoProの知的財産権を侵害したとする仮決定を下し、GoProが公開したプレスリリースによると、今回の仮決定ではInsta360が「GoPro HERO」のデザインと同社の手ブレ補正技術「HyperSmooth」の特許を侵害していると認定されました。

あくまで現時点では主席判事による”仮決定”に過ぎない為、最終決定は2025年11月10日までに下される予定で、それまでは法的な拘束力を持たず、判定が覆される可能性もあります。

Insta360も既に対抗する声明を出しており、GoProが主張していた複数の特許のうち、手ブレ補正、水平維持、歪み補正、アスペクト比変換に関する5つの実用特許については、無効であるか、侵害されていない、またはその両方であると判断された他、Insta360が自主的に行ったデザインの変更が、GoProが主張していた唯一の意匠特許の範囲外であることも確認されたとのことで、GoProが広範囲に渡って主張した技術的優位性の多くやデザイン特許は法的には認められなかったことを主張しています。

Insta360の創業者であるJK Liu氏は、「ITCの仮決定は、業界内では誰もが知っていることを再確認したに過ぎまぜん。『未来は訴訟屋ではなく、イノベーターに属する』ということです。GoProは幅広い特許を使って競争を妨げようとしましたが、その大半は侵害がない、あるいは無効と判断されました。これは極めて重要な結果です。」「これはInsta360だけの問題ではありません。大手企業が訴訟をビジネス戦略として使い、より速く、より賢く、より俊敏な挑戦者の足を引っ張ろうとする業界の構造的な問題でもあります。より良い製品を作る代わりに、良い製品を作る企業の成長を遅らせようとする。それが彼らの常套手段です。我々は、製品、チーム、そして我々が支えるクリエイティブ・コミュニティを守るために、今後も断固として立ち向かっていきます。市場シェア維持のための法的駆け引きに惑わされるつもりはありません。」と述べています。

実際にどういった最終判決になるか次第ですが、デザインに関する判決の影響を受けるのは「AcePro」のみで、確かに「HERO」に似ていますが、似ているのは前面のみで、背面はフリップ式のディスプレイを採用するなど、独自性も備えています。また、それを言い出すと他のメーカーのアクションカメラも前面はほぼ同じようなデザインとなっており、判決次第では色々な方面に影響が出る可能性もあります。

次に、「HyperSmooth」の特許侵害が認められた場合、Insta360の同様の技術である「FlowState」が使えなくなる可能性があり、そうなった場合、Insta360の製品全体に影響が出る可能性もあります。

Insta360はアクションカメラ市場では2024年にGoProを抜いてシェア1位となり、先月に上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」への上場を果たしており、追い抜かれたGoProの抵抗のように見えますが、実際、ここ数年間はInsta360は様々な製品ラインナップを拡充させてきたのに対し、GoProは通常のアクションカメラにのみ注力し、その動きもInsta360やDJIよりも遅く、「HERO」シリーズでの成功に慢心していた面もあるのかもしれません。

[via The Verge


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