Qualcommの「Snapdragon X Elite」のベンチマークスコアが明らかに
Windows Latestによると、Qualcommの最新SoC「Snapdragon X Elite」のものとみられるGeekbenchのベンチマークデータが明らかになりました。
「Snapdragon X Elite」は昨年10月に正式発表された最新のSoCで、Windows/Chromebook向けのSoCとなっており、CPUには自社設計で12コアのOryon CPUが搭載され、最大3.8GHzで動作し、2コアのみ最大4.3GHzまでブーストします。
GPUも自社開発のAdreno GPUが搭載され、詳細はまだ明らかにされていないものの、4.6TFLOPSの単精度浮動小数点演算の性能を備えています。他にも、RAMはLPDDR5xを採用し、NPU(Neural Procesing Unit)は単体で45TOPsの性能で、SoC全体では75TOPsの性能となっています。
今回明らかになったベンチマークデータは「Qualcomm ZH-WXX」といったモデル名が付けられた、12コア CPUと32GB RAMから構成された「Snapdragon X Elite」を搭載したデバイスのものとなっています。
「Snapdragon X Elite」はTDP(熱設計電力)が可変になっていてOEMメーカーが自由にTDPを設定でき、TDPによって全く性能が異なってくるのですが、今回のベンチマークスコアから推測すると、同社が昨年10月にメディア向けに用意したTDP 23Wのレファレンス機と似た設定の試作機のものと予想されます。
なお、ベンチマークスコアはシングルコアが2574、マルチコアが12562となっており、シングルコアはAppleのM2チップと同程度、マルチコアはAppleのM1 Pro/Maxチップと同程度となっています。
参考までにAppleの各チップとスコアを比較したものが下記の表で、AppleのM2チップとの比較はQualcommが昨年10月に公式に明らかにしていたベンチマークデータと同じような傾向となっています。Qualcommは昨年12月にDigitalTrendsに対し、「Snapdragon X Elite」のマルチコア性能はM3よりも21%高速だと主張し、その際のGeekbenchのマルチコアのスコアは15,300だった為、今回はそれよりも低いスコアとなっています。12月の時も今回もTDPが明らかになっていないので、実際にどの程度のレベルなのかはもう少し様子を見るしかなさそうです。
SoC名 (CPUのコア数) | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Snapdragon X Elite (12コア) | 2574 | 12562 |
Apple M2 (8コア) | 2577 | 9649 |
Apple M2 Pro (12コア) | 2650 | 14280 |
Apple M3 (8コア) | 3085 | 11566 |
Apple M3 Pro (12コア) | 3097 | 15233 |
なお、「Snapdragon X Elite」を搭載したデバイスは今年半ばまでに順次発売される予定です。
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